⑤近世ヨーロッパ医学における身体観ー解剖学の進展と生殖器官の発見

掲載:2024/03/09  執筆:小川眞里子

本記事は、『<ひと>から問うジェンダーの世界史』第1巻「身体・セクシュアリティ・暴力」(大阪大学出版会、2024年)の関連記事です。

第1章 2)身体の語られ方
⑤近世ヨーロッパ医学における身体観ー解剖学の進展と生殖器官の発見(小川眞里子)
(内容)◆身体とは ◆中世までの身体観 ◆ガレノス医学の踏襲と訂正 ◆ヴェサリウスの弟子たち ◆生殖器官の詳細 ◆女性の骨格図の登場 ◆バークレーの解剖書 ◆ツーセックスモデルの次は

古代ギリシア・ローマの医学

ガレノス(18世紀の画)
(出典)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Galenus.jpg

ヴェサリウス『De humani corporis fabrica(人体の構造:ファブリカ)』(1543年)

アンドレアス・ヴェサリウス(Andreas Vesalius、1514~1564年):解剖学者、医師。ブリュッセル生まれ。パドヴァ大学の外科学・解剖学教授を経て、1543年に『ファブリカ』全7巻を執筆。その後まもなく、神聖ローマ皇帝カール5世の侍医に任じられる。

アントニ・ファン・レーウェンフック(1632ー1723年)

アントーニ・ファン・レーウェンフック(Antonie van Leeuwenhoek、1632~1723年):オランダの商人、科学者。歴史上はじめて単式顕微鏡(単レンズ)により微生物を観察し、「微生物学の父」とも称せられる。
生涯と業績の詳細については以下を参照→Antoni van Leeuwenhoek – Wikipedia(ドイツ語)

アントニ・ファン・レーウェンフック(1680年頃)
(出典)File:Jan Verkolje - Antonie van Leeuwenhoek.jpg - Wikimedia Commons
レーウェンフックの顕微鏡(Museum Boerhaave, Leiden)
※レーウェンフックは生涯に50もの顕微鏡を開発したとされる。
(出典)File:Leeuwenhoek boerhaave.jpg - Wikimedia Commons
レーウェンフックが顕微鏡で発見したウサギ(図 1-4)とイヌ(図5-8)の精子
(出典)File:Sperm Anton van Leeuwenhoek Rabbit dog.jpg - Wikimedia Commons

レーウェンフックの顕微鏡の設計図(1695年)Leeuwenhoek, Arcana naturae, 1695
(出典)File:Leeuwenhoek, Arcana naturae, 1695 Wellcome M0010660.jpg - Wikimedia Commons

参考文献

人体解剖のルネサンス 単行本 – 1989/2/1
藤田 尚男 (著)
セックスの発明―性差の観念史と解剖学のアポリア 単行本 – 1998/4/1
トマス ラカー (著), Thomas Laqueur (原名), 高井 宏子 (翻訳), 細谷 等 (翻訳)
科学史から消された女性たち 改訂新版 単行本 – 2022/9/16
ロンダ シービンガー (著), 小川 眞里子 (翻訳), 藤岡 伸子 (翻訳), 家田 貴子 (翻訳)

シングル・レンズ―単式顕微鏡の歴史 (りぶらりあ選書) 単行本 – 1986年
ブライアン J.フォード (著), 伊藤 智夫 (翻訳)
法政大学出版局

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