中国・台湾の女性と相続の歴史

掲載:2023-09-15 執筆:野村鮎子

名公書判清明集

『名公書判清明集』(めいこうしょはんせいめいしゅう)は、南宋(1127~1279年)の判例集で、南宋の法律制度の研究における重要史料である。

 

近現代台湾(略史)

1895年4月17日 下関条約により、台湾が清朝から日本に割譲される。日本政府の出先機関である台湾総督府が設置され、統治にあたった。→日本統治時代の開始(1895~1945年)

1911~12年 辛亥革命

1912年 中華民国の成立  

1927年4月、蒋介石が北伐を完遂し、南京に国民政府を樹立

1929年~1930年 中華民国国民政府によって「中華民国民法」が制定公布される。

1945年10月25日 中華民国国民政府の出先機関である台湾省行政長官公署による統治が開始。→日本統治時代の終わり → 台湾は、国民政府の統治下にはいる。

1949年10月1日 毛沢東(中国共産党主席)が北京市天安門広場で中華人民共和国の建国宣言。

 1949年12月7日 中華民国が台北に「臨時首都」を遷都→台湾国民政府

1950年 蔣介石が中華民国総統となる。

1996年 国民の直接選挙による総統選が実施され、李登輝が当選。国民党の一党独裁体制が消滅。→現在に至る。

中華民国民法(台湾で適用されたのは1945年以降)

中華民国民法(現在、台湾で施行されている民法)の特徴

ドイツ民法、日本民法、スイス民法、そして債権法はフランス民法という混合継受であり、その編別はドイツのパンデクテンシステムの五編制を採るので、民法総則編、債編、物権編、親属編、継承編の順になっている。(陳2019:233)

(1)総則編(全152条)1929年5月23日制定公布、同年10月10日施行。

(2)債編(全604条) 1929年11月22日制定公布、1930年5月5日施行。

(3) 物編(全210条) 1929年11月30日制定公布、1930年5月5日施行。

(4) 親属編(全171条)、継承編(全88条) 1930年12月26日制定公布、1931年5月5日施行。

(陳2019:232)

(参考)陳添輝(松田恵美子訳)「台湾民法の法律継受と学説継受」『名城法学』68-3・4、2019年

参考文献

台湾女性史入門 単行本 – 2008/10/28

台湾女性史入門編纂委員会 (著)
台湾女性研究の挑戦 単行本 – 2010/4/1

野村 鮎子 (編集), 成田 靜香 (編集)
中国家族法の原理 単行本 – 2000/7/1

滋賀秀三 (著)