ポルノグラフィと女性差別ー「表現の自由」か?

掲載:2024-03-09 執筆:中里見博

本記事は、『<ひと>から問うジェンダーの世界史』第1巻「身体・セクシュアリティ・暴力」(大阪大学出版会、2024年)の関連記事です。

第4章 身体管理と身体表現 5)身体描写と身体表現
④ポルノグラフィと女性差別ー「表現の自由」か?(中里見博)
(内容)◆ポルノとジェンダーの視点 ◆近代国家とポルノ規制 ◆ポルノ被害の提起 ◆デジタル性暴力 ◆ジェンダー視点に基づくポルノ規制

ポルノ被害・性暴力

AV出演被害防止・救済法(令和四年法律第七十八号)

(正式名称)性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、性行為映像制作物の制作公表により出演者の心身及び私生活に将来にわたって取り返しの付かない重大な被害が生ずるおそれがあり、また、現に生じていることに鑑み、性行為映像制作物への出演に係る被害の発生及び拡大の防止を図り、並びにその被害を受けた出演者の救済に資するために徹底した対策を講ずることが出演者の個人としての人格を尊重し、あわせてその心身の健康及び私生活の平穏その他の利益を保護するために不可欠であるとの認識の下に、性行為の強制の禁止並びに他の法令による契約の無効及び性行為その他の行為の禁止又は制限をいささかも変更するものではないとのこの法律の実施及び解釈の基本原則を明らかにした上で、出演契約の締結及び履行等に当たっての制作公表者等の義務、出演契約の効力の制限及び解除並びに差止請求権の創設等の厳格な規制を定める特則並びに特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)の特例を定めるとともに、出演者等のための相談体制の整備等について定め、もって出演者の性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資することを目的とする。

※法律の全条文は以下を参照→性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律 | e-Gov法令検索

デジタル性暴力

(参考)ぱっぷす:セクストーションとは デジタル性暴力の被害事例 - 性暴力を考える - NHK みんなでプラス(2023年6月2日)

参考文献

ポルノグラフィと性暴力―新たな法規制を求めて (福島大学叢書新シリーズ) 単行本 – 2007/4/1
中里見 博 (著)
ポルノ被害の声を聞く デジタル性暴力と#MeToo 単行本(ソフトカバー) – 2022/5/17
ぱっぷす (編集)