近代日本の衛生とジェンダー

掲載:2024-03-09 執筆:宝月理恵

本記事は、『<ひと>から問うジェンダーの世界史』第1巻「身体・セクシュアリティ・暴力」(大阪大学出版会、2024年)の関連記事です。

第4章 身体管理と身体表現 2)身体管理と「健康」
②近代日本の衛生とジェンダー(宝月理恵)
(内容)◆パンデミックと近代衛生行政 ◆明治初期の衛生行政における女性の不在 ◆学校教育と衛生 ◆女学校における衛生教育 ◆女性と衛生専門職 ◆家庭衛生の啓蒙と女性 ◆婦人雑誌における衛生言説 ◆多元的な衛生戦略 ◆美容と衛生

コレラ

コレラの流行
安政5年(1858年)のコレラ大流行による死者の棺桶で混雑する火葬場。
(出典)File:Ansei cholerae.jpg - Wikimedia Commons
安政箇労痢流行記概略 (archives.go.jp)(国立公文書館デジタルアーカイブ)

4大婦人雑誌(明治末期~大正期)と『女学世界』

戦前日本で「4大婦人雑誌」と呼ばれていたのは、『婦人画報』(1905年創刊)、『主婦の友』(1917年創刊)、『婦人倶楽部』(1920年10月創刊)、『婦人公論』(1916年創刊)である。前三者は実用記事が多く、『婦人公論』は「自由主義と女権の拡張を目ざす」をコンセプトとして掲げた。他に、『婦人の友』(1903年創刊、当初の雑誌名は『家庭の友』)がある。

『婦人公論』創刊号(1916年)
(出典)File:Fujinkōron first issue.jpg - Wikimedia Commons
『婦人画報』創刊号(1905年)
(出典)File:Japan, 1905 - Fujin Gaho first issue.jpg - Wikimedia Commons
女学世界 大正期 復刻版 大正2年1月~12月 〔第1回配本〕 (全8巻)
小山 静子 監

参考文献

近代日本における衛生の展開と受容 単行本 – 2010/3/1
宝月 理恵 (著)
養護教諭成立史の研究―養護教諭とは何かを求めて 単行本 – 2003/6/1
近藤 真庸 (著)
健康の社会史: 養生,衛生から健康増進へ 単行本 – 2006/10/1
新村 拓 (著)