江戸末期から明治期の身体観の変化

掲載:2024/03/09 執筆:瀧澤利行

本記事は、『<ひと>から問うジェンダーの世界史』第1巻「身体・セクシュアリティ・暴力」(大阪大学出版会、2024年)の関連記事です。

第1章 2)身体の語られ方
⑥江戸末期から明治期の身体観の変化(瀧澤利行)
(内容)◆前近代における日本の身体観 ◆幕末期に覚醒した「人間」本位の身体観 ◆明治期における西洋的身体観への傾斜 ◆近代日本における身体監視の二分性

貝原益軒『養生訓』(1712年)

貝原 益軒(かいばら えきけん、1630年12月17日(寛永7年11月14日) - 1714年10月5日(正徳4年8月27日))。江戸時代福岡藩の本草学者(薬学者)であり、儒学者。

養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫) 文庫 – 1961/1/5
英語版 貝原 益軒 (著), 石川 謙 (編さん)
養生訓 (中公文庫プレミアム) 文庫 – 2020/1/21
貝原 益軒 (著), 松田 道雄 (翻訳)

『解体新書』(1774年)

『解体新書』解體新書 4巻序圖1巻 [1]
著者キュルムス 著, [前野良沢] [訳], 杉田玄白翼 訳[他]
出版者:須原屋市兵衛、出版年月日:安永3 [1774]
(出典)国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2558887/1/17
新装版 解体新書 (講談社学術文庫) 文庫 – 1998/8/10
杉田 玄白 (翻訳), 酒井 シヅ (著)
蘭学事始 (講談社学術文庫) 文庫 – 2000/1/7
杉田 玄白 (著), 片桐 一男 (著)

徴兵制

徴兵令(明治22年1月22日法律第1号)は、国民の兵役義務を定めた日本の法令。1873年(明治6年)に陸軍省から発布された(下図)。その後、太政官布告による何度かの改定ののち、1889年(明治22年)に法律として公布された。1927年(昭和2年)の全部改正の際に、「徴兵令」」から「兵役法」に変更され、1945年(昭和20年)に廃止された。

陸軍省が1873年に要請した人数(法令全書)
(出典)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Number_of_Army_Conscription_in_1873.jpg
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/787953/1/571

井口阿くり(いのくち・あくり)(1871~1931年)

1871年1月12日(明治3年11月22日) - 1931年(昭和6年)3月26日)。日本の体育学者で、「女子体育の母」「日本体育の母」と呼ばれる。学校体育にスウェーデン体操を導入した。

井口あくりが考案した運動服( 明治39年・1906年出版)
(出典)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sport_clothes_designed_by_Inokuchi_Akuri_01.jpg
スウェーデン式体操(1907年)
国民の体力養成のため、解剖学、生理学、物理学的見地から合理的な体力養成運動を目指して、ペール・ヘンリック・リングによって創始された徒手体操である。
(出典)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gymnastik.Flickor_i_vita_blusar_och_vida_svarta_kn%C3%A4byxor._Nya_Flickskolan,_Sala-Nordiska_Museet-_NMA.0041157.jpg

参考文献

養生論の思想 単行本 – 2003/6/1
瀧澤 利行 (著)
近代日本の身体表象―演じる身体・競う身体 (叢書・文化学の越境) 単行本 – 2013/10/1
瀬戸 邦弘 (編集), 杉山 千鶴 (編集)
近代日本を創った身体 単行本 – 2017/2/11
寒川恒夫 (著, 編集), 中澤篤史 (著), 出町一郎 (著), 澤井和彦 (著), 新雅史 (著), 束原文郎 (著), 竹田直矢 (著), 七木田文彦 (著)