① 地球の危機とオルタナティブな開発

掲載:2024/04/02 執筆:春日匠

本記事は、『<ひと>から問うジェンダーの世界史』第3巻『「世界」をどう問うか?―地域・紛争・科学』(大阪大学出版会、2024年)の関連記事です。

1)環境破壊
①地球の危機とオルタナティブな開発 (春日匠)
(内容)◆成長の限界と資源分配の公正 ◆環境か、開発か ◆農村の女性の目から:インドを事例に ◆環境と多様性を守るためのフェミニズム

関連画像(撮影者=執筆者:春日)

インド(デカン・デベロップメント・ソサイエティ)

種子バンク
DDSの種子バンク。尋ねてきた農家はここから栽培したい種を選び、借りることができる。
ソルガム畑
市場価格が高いが不安定で栄養価の低いコメよりも、栄養価が高く生産量が安定している雑穀類が推奨されている。特にこの写真に写っているソルガム(モロコシ)は旱魃でも収穫が見込めるため「貧者の穀物」と呼ばれている。

ミミズを利用した堆肥
有機農法のために、ミミズを使った堆肥なども使われている。販売されている肥料も高いため、零細農家にとっては購入する必要がないことが重要である。
配給手帳
村の中でも特に困窮している世帯には配給手帳が発行され、NPOが買い上げた穀物から、必要な量を安く買うことができる。(プライバシー部分を一部修正済み)

ケニア(グリーン・ベルト・ムーヴメント)

植林用の苗
グリーンベルト運動は元々、植林運動として始まった。当初は成長の早い外国産の苗を使っていたが、その後、土着の品種を利用するようになった。
村の畑(1)
村が共同管理する畑では、山の斜面で雑穀、イモ、トウモロコシ、バナナといった様々な種類の植物が混在している。そのことによって全体としての収穫量は増えるし、病害虫にもやられにくくなる。
村の畑(2)
村が共同管理する畑では、山の斜面で雑穀、イモ、トウモロコシ、バナナといった様々な種類の植物が混在している。そのことによって全体としての収穫量は増えるし、病害虫にもやられにくくなる。

参考サイト

◆デカン・ディベロップメント・ソサイエティ(DDS)の公式WEBサイト→ http://www.ddsindia.com/www/default.asp

◆ストックホルム大学レジリエンス・センター
https://www.stockholmresilience.org/

◆同センターの発表する環境汚染指標。最新のものは2023年に発表されている。
https://www.stockholmresilience.org/research/planetary-boundaries.html

◆ナヴダーニャ (インド。文中で紹介した『緑の革命とその暴力』の著者ヴァンダナ・シヴァの主宰する有機農法普及運動)
https://navdanyainternational.org

◆グリーン・ベルト・ムーヴメント(ケニア)のウェブサイト
http://www.greenbeltmovement.org

参考文献

緑の革命とその暴力 単行本 – 2008
ヴァンダナ シヴァ (著), 浜谷 喜美子 (翻訳)
日本経済評論社
世界システムと女性 単行本 – 1995
マリア ミース (著), 古田 睦美 (翻訳), 善本 裕子 (翻訳)
藤原書店
日経サイエンス 2010年 07月号 [雑誌] 雑誌 – 2010