目次
【年表】古代ギリシアのポリス社会(前800年頃~前300年頃)
更新:2017-06-18 掲載:2016-03-20 作成:三成美保
【略年表】
【参考】広域略年表→*【年表】古代オリエント~地中海世界(BC3500~AD500)
【参考】前800年以前のギリシア年表→*2-1.古代地中海世界とジェンダー(略年表・地図・ギリシア神話)
前1200頃 カタストロフ(ギリシアのミケーネ文化、ヒッタイト帝国、エジプト新王国が崩壊)
前1200頃~前900頃 「暗黒時代(薄明時代)」(ほぼ300年間)=文字史料が残されていないという意味で「暗黒時代」とよばれた。[周藤1997:49頁]
前1184 トロイヤ戦争(最有力説の比定年代。前1346~前1127年のあいだに起こったとされる)[モアコット1998:32頁]
前8~前6世紀 アルカイック時代
前800頃 新しい政治体制としてのポリス(都市国家/市民共同体)が成立。
≪アテナイの歴史≫→https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Athens
≪スパルタの歴史≫→https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Sparta
≪テーベ(ギリシア)≫→https://en.wikipedia.org/wiki/Thebes,_Greece
前8世紀 ギリシア文字(アルファベット)の誕生
前8世紀末 ホメロスの英雄叙事詩(『イリアス』『オデュッセイア』)(ただし、『イリアス』と『オデュッセイア』は別人の作であり、後者が時代的には新しいとする説が有力である。[周藤1997:56頁])
ホメロス時代のギリシア (出典)https://en.wikipedia.org/wiki/Trojan_War
前776 第1回オリュンピア競技開催
前750頃 植民活動開始
前730 重装歩兵の密集戦導入
前700頃 ヘシオドス(『神統記』『労働と日々』)
前621 (アテナイ)ドラコンがアテナイで最初の成文法を制定
前7世紀末ー前6世紀初 サッフォー(女性詩人)の叙情詩
≪サッフォー≫→https://en.wikipedia.org/wiki/Sappho
前594-前593 (アテナイ)アルコンであるソロンの改革
前561-前528 僭主ペイストラトスの台頭
前550 (スパルタ)ペロポネソス同盟の結成
前525-前456 アイスキュロス(悲劇『アガメムノン』)
【解説】アテナイの演劇
演劇は、ディオニュシア祭の儀式から発展した。晩冬と初春の年2回、上演された。悲劇が優勢であり、神話や英雄叙事詩がテーマとされた。喜劇は豊穣儀礼から生まれたもので、同時代のできごとを風刺するものが多く、しばしば卑猥な雰囲気をともなっていた。(参考:モアコット1998:83頁)
前508-前507 (アテナイ)アルコンであるクレイステネスの改革。陶片追放の制度を定める=民主政の確立
前5~前4世紀 古典期
→*【特論7】パルテノン・フリーズのペプロス・シーンとペリクレスの市民権法(桜井万里子)
→*【特論14】おばあさんの力-古代ギリシア女性史を読むもう一つの視角(桜井万里子)
前496頃-前406 ソフォクレス(悲劇『オイディプス王』)
前490 ペルシア戦争の開始、マラトンの戦い
前485頃ー前406頃 エウリピデス(悲劇『メディア』)
前484頃-前425頃 ヘロドトス(『歴史』)
前480 サラミスの海戦でギリシア海軍がペルシアを破る
前478 デロス同盟の成立
前469頃ー前399 ソクラテス
≪ソクラテス≫→https://de.wikipedia.org/wiki/Sokrates
前450頃ー前385頃 アリストファネス(喜劇『女の平和』『女の議会』)
前447-前438(アテナイ)パルテノン神殿の建設
→*【古代ギリシア史】パルテノン神殿浮彫のジェンダー解釈(森谷公俊)
→*【特論7】パルテノン・フリーズのペプロス・シーンとペリクレスの市民権法(桜井万里子)
前443-前429 (アテナイ)ペリクレス時代。
ペリクレスの愛妾(妻という説もある)はアスパシア。アスパシアはイオニア(現トルコ)の出身で、美貌と教養にすぐれ、ソクラテスとも親交があったとされる。一般のアテナイ市民女性とは異なり、家庭にはこもらなかったため、批判もあびた。彼女は「ヘタイラ(遊女)」であったという説もある。
前431-前404 ペロポネソス戦争(アテナイがスパルタに敗北)
前429頃ー前347 プラトン
≪プラトン≫→https://de.wikipedia.org/wiki/Platon
前411 アテナイで400人の寡頭政権成立
前403 アテナイで寡頭政治派と民主政治派の和解が成立。寡頭政治派はアテナイを退去。
前399 ソクラテス裁判(死刑判決)
【解説】ソクラテス裁判
青年を堕落させ、国家の神々を信仰せず、新しい神を信じているという罪で、ソクラテスがアテナイの陪審裁判にかけられた。ペロポネソス戦争期の寡頭政治派にはソクラテスの弟子たちがいた。ソクラテスの裁判は国家のことに関わる公法上の裁判とされたために501人の陪審員(市民男性からくじで選出)が必要とされた。ソクラテスの弁明のあと、投票が行われ、有罪281票であった。ソクラテスは、自分は罪を犯していないとして「国賓待遇」を要求し、陪審員たちの反感を買った。その結果、次に行われた刑罰に関する票決では、361名が死刑に投票したのである。[周藤1997:123-125頁]
ソクラテスの妻は、クサンティッペ。
前395-前387 コリントス戦争
前385 プラトンがアカデメイアを開設
≪アカデメイア≫→https://de.wikipedia.org/wiki/Platonische_Akademie
前384-前322 アリストテレス(アカデメイアで学び、のちにアレクサンドロス大王の家庭教師になった)
前371 レウクトラの戦い(テーベがスパルタを破る=テーベの覇権確立)
前370-前361 テーベによるペロポネソス半島への侵攻
前338 カイロネイアの戦い(マケドニア王フィリポス2世がアテナイ・テーベ連合軍を破る)
前334 (マケドニア)アレクサンドロス大王が東方遠征を開始
前274 ローマがイタリア半島を統一
→*2-6.古代ローマの共和政と家父長制(付:共和政期の年表)
【参考文献】
周藤1997:周藤芳幸『図説ギリシアーーエーゲ海文明の歴史を訪ねて』河出書房新社、1997年
モアコット1998:ロバート・モアコット、桜井万里子監修、青木桃子訳『古代ギリシアーー地図で読む世界の歴史』河出書房新社、1998年
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