目次
ジャンヌ・ダルク処刑裁判(1431年)
【史料】
「主の名においてアーメン。異端の危険な害毒が教会の肢(えだ)に執拗に付着し、これを悪魔の肢に変える時があれば常に、慎重な配慮を以て、この危険な害毒の忌むべき汚染がキリストの神秘な身体の他の肢に感染せぬよう監視せねばならない。…それ故に、我等…は、…誤ることない判決により、汝、俗称“乙女”ことジャンヌは、分派、偶像崇拝、悪魔の祈祷、その他多くの悪行により、様々の過誤及び様々の罪に堕ちていることを宣告した。」(高山訳341以下)
【解説】
ジャンヌは、19世紀以降も相対立する立場から利用された。教会はジャンヌの敬虔さを称え、彼女を列聖する(1920)。他方、反教会的で自由主義的な共和主義者は、ジャンヌを下層出身の愛国者として強調した。ナチス期には、ヴィシー政権はジャンヌをイギリス軍と戦う勇者と位置づけ、レジスタンスは権力と戦う抵抗者とみなした。(図は高等法院記録に描かれたジャンヌ)
●関連図書
(1)裁判史料(翻訳)
(2)概説
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