【年表】明(1368-1644年)
掲載:2016-07-03 作成:三成美保
◆略年表:明(1368ー1644年)
1351 紅巾の乱(白蓮教徒の乱)
○朱元璋は白蓮教の極貧僧であったが、即位後は白蓮教を危険視して弾圧した。
○白蓮教:12世紀末(南宋)に成立し、19世紀初め(清)まで存続した民間宗教。マニ教(694年伝来)と弥勒信仰が習合したものといわれ、弥勒下生を願う反体制集団となった。半僧半俗で妻帯の教団幹部が、男女を分けない集会を開いた。
1368 明の建国(朱元璋=洪武帝:位1368-98)
○明律(1367)・明令(1368)の制定
1384 科挙の復活(※科挙=隋から清まで[598-1905年]行われた官吏登用試験)
1402 永楽帝即位(位1402-24)
1404 日本:明と勘合貿易を開始(-1547)
1405-33 鄭和(ムスリムの宦官:1371-1434?)の南海遠征(7回)
1472-1529 王陽明
○陽明学の成立
1572 万暦帝即位(位1572-1620)
1582 キリスト教(カトリック)伝来(イエズス会士マテオ・リッチ)
1602 坤輿万国全図(こんよばんごくぜんず)の刊行(下図)
1610 『金瓶梅』刊行
【金瓶梅(1610年)】
(あらすじ) 『金瓶梅』(きんぺいばい)は、明代の長編小説で、小説の転換点ともなった作品。四大奇書の一つともされる。わいせつ本として、しばしば発禁処分を受けた。タイトルは、男性主人公が深い関わりを持つ三人の女性(潘金蓮、李瓶児、春梅(龐春梅))の名前から一文字ずつ取ったことに由来する。主人公は、大商人(薬屋)の西門慶。彼は、人妻である潘金蓮と密通し、彼女に夫を殺させて第5夫人とする。西門慶はさらに隣家に住む未亡人の李瓶児を第6夫人に迎え、潘金蓮の女中の龐春梅をはじめとする女中たち、使用人の妻たち、芸者たちとも関係を持ち情欲の限りをつくす。
(女性・性愛) 金瓶梅では、先行する水滸伝などではほぼ省かれていた女性、性愛、金銭、仔細な日常描写が多い。その描写は非常に詳し い。食べ物、飲み物についても具体的に列挙されている。人物の容姿、衣服やアクセサリーの柄やデザイン、色の合わせ方、化粧の様子などもこまごまと描写されている。女性同士の会話や日常生活の様子も、生き生きと描かれている。性描写は多いが、レイプ場面は描かれていない。また、買売春についても肯定的には描かれていない。
※図は、第四回:西門慶と潘金蓮が武大(潘金蓮の夫)の隣家で逢引をしている場面。部屋の外で座っている人物が手引きした隣家の老女。(崇禎本の挿絵)
※『金瓶梅』全10巻(小野忍・千田九一訳)、岩波文庫、1973-1974年
1631-45 李自成の乱
1644 李自成により明が滅亡
1644 李自成軍を破って清が中国を支配