【インド史】ヒンドゥー教の社会とカースト秩序

掲載:2016-05-08

「ヴェーダ時代」は女性にとって「黄金時代」だったか?(粟屋利江)

「ヴェーダ時代」(前1500から前600ころ)における女性の地位は高く、それ以降(しばしば、イスラム勢力の「侵略」時代が名指しされる)、低下していったという言説は、19世紀以降、西洋のオリエンタリストや民族主義的なインド知識人層によって唱えられた。彼らによれば、当時、女性にも男性と同じ教育の機会があり、幼児婚は行われず、結婚相手の選択も自由であり、寡婦の再婚も許されていたということになる。こうした言説は、女性にとって仏教が持った一定のポジティブな意義や、インド社会における階層差を無視している点などフェミニストから批判されてきた。(粟屋利江)

(出典)『読み替える(世界史編)』2014年、53頁から引用

○「3-2.ヒンドゥー教の社会とカースト秩序(粟屋利江)」(『読み替える(世界史編)』52-53頁)には、以下の項目が記載されています。
「ヒンドゥー法と女性の地位」「カースト秩序とジェンダー」「「パティヴラター」という理念」「ヒンドゥー教と女神信仰」及び関連資料