目次
2-0.オリエントと地中海世界ー古代の諸文明(年表)
【高校世界史教科書】
オリエントとは、ヨーロッパから見て「日出るところ」をさす。西アジアからアフリカ北東部一帯がこれにあたる。前4千年紀にエジプトやメソポタミアでは都市文明が成立し、前3千年紀後半にはセム語系の人びとを中心にオリエント世界が成立した。前2千年紀にはインド=ヨーロッパ語系の諸族が南下し、興亡が繰り返される。前1千年紀になると、オリエント文明は、西は地中海全域、東はイラン高原から中央アジアにまで拡大した。東地中海世界では、オリエントの影響のもとにギリシア人が都市国家を発展させ、いわゆる「古典文明」を築いていく。それはやがてヘレニズム文明として地中海全域からインダス河にまで拡大した。前1世紀末にはローマが世界帝国となり、「ローマの平和」が訪れる。しかし、4世紀末にローマ帝国は分裂した。
古代の諸文明(年表)(~前1000頃)
【古代の諸文明ー「世界四大文明」ではない】
「世界四大文明」(メソポタミア・エジプト・インダス・中国)という言い方が日本では定着しているが、こうした文明史観が登場したのは、1952年の高校世界史教科書以降である。「世界四大文明」史観は日本独特のものであり、世界では南北アメリカ大陸の諸文明も含めて、諸文明(大きくは6つの文明)の歴史を考えることが一般的である」(青山2012:8-9頁)。
【参考文献】青山和夫『”謎の文明”マヤの実像にせまる』NHK出版、2012年以下の年表で、前1000年頃までに成立した古代の諸文明・諸王国を位置づけてみたい。
前14000頃ー前1000頃 長江文明
○前7500頃 – 前6100頃 彭頭山文化(ほうとうざんぶんか・ペントウシャン文化)水稲栽培を実施
○前2000頃 三星堆文化
前7000頃 黄河文明の成立
○裴李崗文化 (はいりこうぶんか)(前7000頃ー前5000頃)
○仰韶文化(前5000頃ー前3000頃)=彩陶文化
○龍山文化(前3000頃ー前2000頃)=黒陶文化
→*3-3.古代中国のジェンダー(付:年表)
前4000頃-前1000頃 インド=ヨーロッパ語族の移動
【クルガン仮説】
クルガン仮説 (Kurgan hypothesis) は、ロシア南部に存在した「クルガン文化」がインド・ヨーロッパ祖語の話し手であったとする仮説である。1956年にマリヤ・ギンブタス Marija Gimbutasが提唱した。クルガン仮説は、インド・ヨーロッパ語族の起源についての説得的な理論として広く受け入れられてきた。
前4000頃(エジプト) ナイル川流域で都市国家分立
前3500頃-前3100頃(メソポタミア) シュメール人の都市国家
前3500頃~前2000頃(日本) 三内丸山遺跡
前3000頃-前341(エジプト) エジプト王国
前3000頃(エジプト) 上下エジプトの統一
前3000頃(地中海) エーゲ文明はじまる
前2500-前2400(メソポタミア) ウル(ウルク)第1王朝
第5代王ギルガメシュ→『ギルガメシュ叙事詩』
前2500頃(南米) アンデス文明の成立
→*3-5.南北アメリカー古代文明~近代中南米
前2330頃-前2150頃(メソポタミア)アッカド王国
前2300頃ー前1800頃(インド) インダス文明繁栄
前2000-前1400頃(地中海) クレタ文明栄える
前2000頃-前1595頃(メソポタミア) バビロニア王国
前17世紀-前12世紀末(小アジア) ヒッタイト王国
前1600頃-前1200頃(地中海) ミケーネ文明
前1600頃-前11世紀(中国) 殷(商)
前1300頃-前609(メソポタミア) アッシリア王国
前1200頃-前400頃(メソアメリカ) オルメカ文明
前11世紀末-前256(中国) 周
前1020頃-前922(シリア=パレスチナ) ヘブライ王国
前1000頃-16世紀(メソアメリカ) マヤ文明
前750頃~前50頃 古代ケルト文化