目次
比較ジェンダー法史(年表:1000年以降)
掲載:2020-02-11(今後とも随時情報を追加) 作成:三成美保
1070頃(欧) ローマ法学の復活=法学部の成立
1140頃(欧) グラティアーヌス教令集の成立=教会婚姻法の確立
1487(独) 『魔女の鉄槌』(魔女裁判のマニュアル)
1532(独) カロリナ刑法典(神聖ローマ帝国刑事法典)
1603(日) 江戸幕府(1603~1868)の成立
17世紀初頭(日) 三大遊郭(江戸吉原・京都島原・大坂新町)の成立
17世紀(欧) 自然法学の発展
1701(独) トマジウス『魔女罪論』(魔女は存在しない)
1762(仏) ルソー『エミール』刊行
1776(米) アメリカ独立宣言の公布
1789(仏)07.14 フランス革命
→*10-3.フランス革命ーフランス人権宣言と「女権宣言」(三成)
1789(仏) フランス人権宣言
1791(仏) オランプ・ドゥ・グージュ『女権宣言』
→*【史料】オランプ・ドゥ・グージュ:女権宣言(1791年)全文
1792(英) メアリ・ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』
→*【ジェンダー史古典①】ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』(1980)(姫岡とし子)
1792(独) テオドール・ヒッペル『女性の市民的改善について』
1794(独) プロイセン一般ラント法
→*【史料・解説】プロイセン一般ラント法(1794年)(三成美保)
→*【史料・解説】プロイセン一般ラント法の嬰児殺規定(三成美保)
1804(仏) フランス民法典(コード・シヴィル)の成立(現行法・一時は「ナポレオン法典」ともよばれた)=家父長制が顕著
→*【法制史】フランス革命(1789年)とコード・シヴィル(1804年)(三成美保)
→*【法制史】近代市民法のジェンダー・バイアス(三成美保)@
1868(日) 明治維新
1871(日) 壬申戸籍法=近代戸籍制度の確立
1896(独) ドイツ民法典の成立
→*【法制史】ドイツ民法典の編纂(1874-1896年)(三成賢次)
1896(日) 日本民法典家族法(親族・相続編)[明治民法典]の成立=「家」制度の確立
1907(日) 現行刑法の制定
1914~1918(国際) 第一次世界大戦
1917(露) ロシア革命
1919(独) ワイマール憲法の成立
1933(独) (ナチス)断種法の成立(~1945)=優生思想が顕著
1939~1945(国際) 第二次世界大戦
1940(日) 国民優生法の成立(ナチス断種法をモデルとする)
1945(日) 広島、長崎への原子爆弾投下
1945(国連) 国際連合の成立
1946(日)04. 女性議員の誕生(女性参政権の承認)
1946(日) 大学の男女共学化の開始
1946(日)11. 日本国憲法成立=男女平等・家族における男女平等の保障
1948(国連) 世界人権宣言
1948(日) 優生保護法成立(国民優生法の改正)
1949.01(日) 日本学術会議(http://www.scj.go.jp/index.html)の設立(内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立)
1949(日) 優生保護法改正
1949(中) 中華人民共和国の成立
1950~53(朝) 朝鮮戦争
1952(日) 優生保護法改正
旧優生保護法(全条文)→*【史料】優生保護法(1952年改正~1996年)
1956(日) 売春防止法の成立
1964(米) アメリカ公民権法の成立(性差別禁止の明記)
1966 国際人権規約の成立
1966(国連) 国連総会で国際人権規約(A規約=社会権規約、B規約=自由権規約)が成立(いずれも1976年発効)
※日本は、社会権規約も自由権規約も批准(1979年)しているが、2つの選択議定書は批准していない。
※「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(以下「A規約」と略称)及び「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(以下「B規約」と略称)の概要は→(外務省)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2a_001.html
第1選択議定書(1966年成立、1976年発効)
第1選択議定書では、自由権規約に規定された権利の侵害があった場合の「個人通報制度」について定めている。
第2選択議定書(1989年成立、1991年発効)
第2選択議定書は「死刑廃止条約」とも呼ばれる。死刑廃止を目的とする選択議定書を締結した国の義務、国連に対する個人の通報などを定めている。
日本政府への勧告
国際人権規約(自由権規約・社会権規約)に関する審査と政府レポートについては下記を参照
(外務省)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/index.html
日本弁護士連合会の取り組み
1996年 国際人権規約の活用と個人申立制度の実現を求める宣言 https://www.nichibenren.or.jp/document/civil_liberties/year/1996/1996_4.html
2007年 個人通報制度批准に向けた取り組み(自由権規約個人通報制度等実現委員会の設置) https://www.nichibenren.or.jp/activity/international/human_rights/iccpr.html
2016年 死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言 https://www.nichibenren.or.jp/document/civil_liberties/year/2016/2016_3.html
「死刑制度の廃止及び関連する刑罰制度の改革に向けて」 https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/shikeihaishi_keibatsu.pdf
1966(米) 全米女性機構の設立(リベラル・フェミニズム)
1967(国連) 女性差別撤廃宣言
1970年代(欧米) フェミニズムの第2の波
→*【女性】フェミニズムの第2の波と「ジェンダー」の発見(三成美保)
1972(日) 沖縄の日本への返還
1973(米) ロウ判決=中絶を女性の「プライバシー権」として認める
1975(国連) 第1回世界女性会議
1978(英) 世界初の体外受精児の誕生(「生殖革命」)
1979 女性差別撤廃条約
1979(国連) 女性差別撤廃条約成立=現在の女性差別撤廃のためのもっとも基本的な原則
1979(日) 「日本型福祉社会」の提言
1983(日) 金城清子『法女性学のすすめ』(日本初のジェンダー法学テキスト)
1985(国連) 第3回世界女性会議(ナイロビ会議)→「ナイロビ将来戦略」
1985(日) 女性差別撤廃条約を日本が批准
1985(日) 男女雇用機会均等法成立
1988(日) 女性差別撤廃委員会(CEDAW)による日本政府レポートの第1回審議
1991(日) バブル崩壊
1993(国連) 女性に対する暴力撤廃宣言→*【ジェンダー法学4-②】(史料・法令)1993年:女性に対する暴力撤廃宣言
1994(日) 女性差別撤廃委員会(CEDAW)による日本政府レポートの第2回審議
1995.01.17(日) 阪神淡路大震災
1995(国連) 第4回世界女性会議(北京会議)→「北京行動綱領」(ジェンダー平等実現のためのもっとも包括的な文書)の制定
1996(日) 母体保護法成立(優生保護法の改正)
1996(日) 「民法の一部を改正する法律案要綱案」(家族法改正)の答申(いまなお国会を通っていない)
1997(日) 男女雇用機会均等法の改正(セクシュアル・ハラスメント規定の導入)
1998(国連) 国際刑事裁判所(ICC)の設立→ICC規程(強制妊娠や戦時レイプなどを「人道に対する罪」と規定)
1999(国連) 女性差別撤廃条約選択議定書(個人通報制度と調査制度を規定)の成立(日本は批准していない)
1999(日) 男女共同参画社会基本法成立=「21世紀の我が国社会を決定する最重要課題」(前文)
2000(日) 第1次男女共同参画基本計画
2001(日) 国連社会権規約委員会による総括所見=同報告に関する経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の総括所見(2001年9月24日)(仮訳)
2001(日) DV防止法の成立
2003(日) 「202030」(2020年までに指導的地位の女性比率を30%にする)目標の設定
2003(日) 女性差別撤廃委員会(CEDAW)による日本政府レポートの第3回審議
2003(日) 少子化社会対策基本法の成立
2003(日) 性同一性障害者特例法の成立
2005(日) 刑法改正=刑法に人身売買罪を新設
2005(日) 第2次男女共同参画基本計画
2006(国際) ジョグジャカルタ原則(性的指向および性自認に関連する国際人権法の適用に関する原則)
2007(国際) 世界同時不況(リーマン・ショック)
2007(日) 男女雇用機会均等法の改正(男女双方に対する性差別の禁止)
2008(日) 国連自由権規約委員会からの勧告
2008(日) 国連人権理事会の普遍的定期審査
2008(日) 日本学術会議(提言)「学術分野における男女共同参画促進のために」
2008(日) 日本学術会議・法学委員会・法史学・歴史法社会学分科会(報告)「大学法学部1年生の歴史素養調査と法史学関連科目の開講状況調査」
2009(日) 女性差別撤廃委員会(CEDAW)による日本政府レポートの第4回審議
→*【資料】女性差別撤廃委員会の最終見解(2009年8月7日)における慰安婦問題の指摘
2010(日) 第3次男女共同参画基本計画
2011.03.11(日) 東日本大震災、福島原発事故
→*【年表4】原子力発電所建設との闘い―立地反対運動と原発訴訟(富永智津子)
2011(日) 日本学術会議(提言)「東日本大震災に対応する第六次緊急提言「救済・支援・復興に男女共同参画の視点を」
2011(日) 日本学術会議・科学者委員会・男女共同参画分科会(報告)「学術における男女共同参画推進の加速に向けて」
2012(日) 国連人権理事会の普遍的定期審査
2012(日) 「自殺総合対策大綱」
2012(日) 日本学術会議・大学教育の分野別質保証推進委員会・法学分野の参照基準検討分科会(報告)「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準:法学分野」
2013(日) 国連社会権規約委員会からの総括所見(2013年5月17日)全文=外務省仮訳(PDF)
2014(日) 日本学術会議(提言)「男女共同参画社会の形成に向けた民法改正」
2014(日) 日本学術会議・科学者委員会・男女共同参画分科会(報告)「学術分野における男女共同参画促進のための課題と推進策」
2014(国際) オリンピック憲章に「性的指向」による差別の禁止を明記
2015(日) 日本初の同性パートナーシップ条例が成立(東京都渋谷区)
2015(日) 女性活躍推進法の成立
2015(日) 第4次男女共同参画基本計画
2015(日) 日本学術会議(提言)「科学者コミュニティにおける女性の参画を拡大する方策」
2016(日) 女性差別撤廃委員会(CEDAW)による日本政府レポートの第5回審議→勧告
2016(国連) SDGs(持続可能な開発目標:2016~2030年)
2017(日) 国連人権理事会の普遍的定期審査
2017(日) 刑法改正=刑法性犯罪規定の110年ぶり改正(「強制性交等罪」)
2017(日) 日本学術会議(提言)「性的マイノリティの権利保障をめざして―婚姻・教育・労働を中心に―」
2017(日) 日本学術会議・安全保障と学術に関する検討委員会(報告)「報告「軍事的安全保障研究について」
2018(日) 入管法の改正(2019.04施行)
2018(日) 候補者男女均等法の成立
2018(日) 医学部医学系入試における女子受験生に対する点数操作が明るみに出る
→2018.09.14 日本学術会議「医学部医学系入学試験と教育における公正性の確保を求める日本学術会議幹事会声明―男女共同参画推進の視点から―」
2018(中) ゲノム編集による双子の誕生
→2018.12.07 日本学術会議「「ゲノム編集による子ども」の誕生についての日本学術会議幹事会声明」
2019(日) パワハラ防止法の成立
2019(日) 同性婚訴訟の提起(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡にて)
2019(日) 経産省事件(トランスジェンダー女性のトイレ利用制限)で、東京地裁が国に賠償命令。
2020(日) 第5次男女共同参画基本計画