【資料】犯罪白書(H25年版)

(1)目次から

第6編 女子の犯罪・非行
第1章 はじめに
第2章 女子の犯罪の動向
第1節 一般刑法犯
第2節 特別法犯
第3章 検察・裁判
第4章 矯正
第1節 女子の受刑者
第5章 更生保護
第1節 女子の保護観察対象者の動向
第2節 女子の出所受刑者の特徴
第6章 まとめ
第2節 窃盗事犯者
第3節 覚せい剤事犯者

(2)女性の犯罪・非行:はじめに

(引用)「第6編 女子の犯罪・非行
第1章 はじめに

犯罪白書では,平成4年版の特集において「女子と犯罪」を取り上げ,我が国の女子犯罪の動向及び女子犯罪者処遇の 実情を報告した。当時の問題意識は,女子犯罪の増加と女子の社会進出との関連を探ろうとするものであったが,結論としてそれを否定し,女子犯罪の大半は, 経済,家族,異性関係等の環境上の要因を背景とした,女性の社会進出が進む以前と変わらない犯罪類型であって,事件が増加している薬物犯罪や少年非行につ いても,「弱い立場から抜け出せない」女性や「家庭環境に問題をもつ」少女によって引き起こされているとし,「健全な家庭と子弟養育態度の維持向上が図ら れれば,在来の女子犯罪の防止に寄与するものと期待される。」と総括した。

その後,約20年が経過したが,この間,平成11年に男女共同参画社会基本法(平 成11年法律第78号)が制定され,これに基づく様々な施策も実施され,社会のあらゆる分野において女性の活躍が求められている。他方で,バブル経済崩壊 後の長引く経済の低迷,急速な少子高齢化,インターネットや携帯電話の普及に伴う高度情報化社会の進展などにより生活様式や家族構成も大きく変化し,女性 を取り巻く経済情勢や社会環境は従前とは著しく異なってきている。

女子の犯罪・非行に関しては,女子の入所受刑者人員が,平成22年に4年の約2.4倍になっていること,また,再 入者が12年から増加傾向にあり,再入者率も17年から上昇し続けていること,他方において,女子の受刑者や少年院在院者には過去の被虐待経験や性被害に よる心的外傷,摂食障害の問題等を抱える例が多いことが指摘されていることなどの現状があるとして,24年7月に犯罪対策閣僚会議が決定した「再犯防止に 向けた総合対策」においても,重点施策の一つとして「女性特有の問題に着目した指導及び支援」が挙げられているところである。

そこで,この編では,統計上のデータに基づき,女子の犯罪・非行の現状やその特徴的な傾向並びに女子の受刑者,少 年院在院者及び保護観察対象者の実情と動向を概観し,女子特有の問題に着目した指導・支援の充実及び再犯防止に向けた基礎資料として提供するとともに,各 種情勢の変化を踏まえた今後の方策について検討する。」

(3)「女子の犯罪・非行」第6章まとめ 第1節 全体的な傾向

(引用)「第1節 全体的な動向

近年の女子による犯罪の動向を見ると,女子の一般刑法犯は,検挙及び起訴人員について,男子と同様に減少傾向にあるが,平成5年と比べるとなお多く,起訴人員では,過去20年間で3倍以上に増加している(6-2-1-1図及び6-3-1-1図参照)。交通法令違反を除く特別法犯送致人員でも男子が減少傾向にあるのに対し,横ばい状態にある(6-2-2-1図参照)。女子の入所受刑者の人員は,20年間で2倍以上に増加し(6-4-1-2図参照),女子の再入者率は,男子に比べて低いものの上昇傾向にある(4-1-3-1図参照)。また,女子の一般刑法犯検挙人員,女子の入所受刑者人員のいずれにおいても,65歳以上の高齢者層の占める割合が上昇しており,その高年齢化は男子以上に顕著である(6-2-1-2図及び6-4-1-3図参照)。

なお,少年の状況を見ると,女子の少年院入院者の人員,少年院仮退院者の人員及び保護観察処分少年の保護観察開始人員は,それぞれ平成13年,14年をピークに減少傾向にある(6-4-2-1図及び6-5-1-1図<1>・<2>参照)。

罪名を見ると,最近では,女子の一般刑法犯の検挙人員の約7割から8割を窃盗が占めており(1-1-1-6表参照),高齢者に限ると約9割とその比率が特に高い(4-4-1-3図CD-ROM参照)。女子の特別法犯の送致人員では,覚せい剤取締法違反の占める割合が約2割から4割弱と高い(6-2-2-1図参照)。女子の入所受刑者の人員では,平成24年は,窃盗と覚せい剤取締法違反で約8割を占めており,また,近年窃盗の増加が著しい(6-4-1-2図参照)。女子の少年院入院者の非行名を見ると,17年までは覚せい剤取締法違反の占める割合が最も高かったが,それ以降は窃盗又は傷害・暴行の占める割合と同程度となっている(6-4-2-1図参照)。

このように,女子の犯罪・非行は,男子と比べて数は少ないが,検挙人員,起訴人員及び入所受刑者人員が,過去20 年間というスパンでは増加し,また,とりわけ入所受刑者で男子以上の急速な高齢化が見られる。そして,刑事手続のいずれの段階においても,窃盗又は覚せい 剤取締法違反による者の割合が高く,これらの者に対する処遇の在り方が再犯防止を図る上でも極めて重要である。そこで,こうした動向を踏まえて,まずは, 高齢者に注意を向けながら窃盗事犯者を,次いで覚せい剤事犯者を,最後に過剰収容が続く女子刑事施設の現状を見ていく中で,今後の女子犯罪者の再犯防止及 び改善更生のための取組の在り方について検討する。」

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