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【女性】マリア・シビラ・メーリアン(1647-1717)ー代表画付
掲載:2016-05-07 執筆:三成美保
(1)自然科学者(昆虫学)・画家マリア・シビラ・メーリアン
マリア・ジビラ・メーリアン(Anna Maria Sibylla Merian、1647年4月2日 - 1717年1月13日)は、ドイツ生まれの自然科学者(とくに昆虫の変態に関する観察研究)であり、画家。
マリアは、蝶や蛾の変態を含む昆虫の生態をはじめて体系的に研究した人物である。しかし、彼女の研究はドイツ語で書かれため、ラテン語を使用言語とする当時の学術世界にはほとんど受け入れられなかった。また、マリアは、昆虫や植物を緻密な観察眼と描写力で描き、画家としても名声を博した。マリアは、その業績をほぼ独力で成し遂げた自立的女性であり、すぐれた研究者であった。
離婚・再婚後、1685-1690年と1699-1701年に、当時オランダ領であったスリナムに滞在。
1705年には、代表作である、スリナムの昆虫類についての手彩色銅版画集『スリナム産昆虫変態図譜』を出版した。
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20世紀後半には、マリアの業績は広く評価されるようになった。ドイツでは、彼女の肖像が500ドイツマルク紙幣に用いられ、裏面にはマリアの絵があしらわれた。1987年9月17日には、0.4ドイツマルク(40プフェニヒ)切手にも使われた。
【主な業績】
●1675-77年 Neues Blumenbuch. Volume 1-3.
●1679年『毛虫の見事な変態と食草(Der Raupen wunderbare Verwandlung und sonderbare Blumennahrung)』
ドイツ語で書かれたため、当時の学界(ラテン語を利用)では評価されなかったが、当時の学界の常識を覆す発見を多く発表した。
デジタル版はこちら(ハイデルベルク大学)⇒http://digi.ub.uni-heidelberg.de/diglit/merian1683bd2
●1705年『スリナム産昆虫変態図譜(Metamorphosis insectorum Surinamensium)』
デジタル版はこちら(ゲッティンゲン大学)⇒http://gdz.sub.uni-goettingen.de/dms/load/img/?PPN=PPN477653782&IDDOC=275685