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【法制史】近代市民法のジェンダー・バイアス(三成美保)

*【特集8】法制史(西洋)

【法制史】近代市民法のジェンダー・バイアス

三成美保(三成他『ジェンダー法学入門』2011年から、一部加筆修正)

◆近代市民法と家父長制 

ナポレオンの戴冠(1804年)

最初の近代法典として諸国の法に大きな影響を与えたのが、ナポレオン諸法典(民法典など5法典)である。日本でもまた、明治維新後まもなく政府の意をうけて、箕作麟祥がフランスの6法典すべてを翻訳した。そのさい、「権利」などの語がフランス法の中国語訳や漢学者の助言のもとに法律用語として導入される。近代日本が範としたフランス民法典(1804年)もドイツ民法典(1896年)も、古典的な自由主義に根ざす家父長制原理を内包していた。近代市民法は、市民男性が国家や市場などの公的領域で平等に自由意思にもとづき行動することを保障した。その一方、市民女性の本来的居場所は私的領域(家庭)とされ、妻には夫権に服することが求められた(夫権的家父長制)。近代市民法は男女の非対称な関係のうえに立つ法だったのである。近代法のジェンダー・バイアスが克服されるのは、ようやく1960年代以降のことである。

*【法制史】フランス革命(1789年)とコード・シヴィル(1804年)(三成美保)

世界史Ⅱ

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