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【特論15】東アジアの女性学生・研究者の専攻分野に 関するジェンダー分析(小川眞里子)

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【特論15】東アジアの女性学生・研究者の専攻分野に関するジェンダー分析 : EU・日本・韓国・台湾の比較をとおして

更新(本文全文掲載)2015-12-12 掲載(一部):2015.04.03 執筆:小川眞里子

(出典)小川 眞里子(三重大学人文学部特任教授); 横山 美和(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科研究院研究員; 河野 銀子(山形大学地域教育文化学部教授); 財部 香枝(中部大学国際関係学部教授); 大坪 久子(日本大学薬学部薬学研究科上席研究員)「東アジアの女性学生・研究者の専攻分野に関するジェンダー分析 : EU・日本・韓国・台湾の比較をとおして」『人文論叢 : 三重大学人文学部文化学科研究紀要』 2015, 32, p. 15-28.

1.本稿の目的

グローバル化が進行し、かつ、世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進む東アジアにおいて、潜在的な労働力である女性の活躍を推進する施策が急務とされている。国際的にみて、男女格差の解消と国際競争力の間には強い相関関係があることが知られているが、世界経済フォーラムが「世界ジェンダー・ギャップ報告」(”The Globa lGender Gap Report 2014”)で発表した2014年版のジェンダー・ギャップ指数(GGGI)ランキングでは、日本は142か国中104位であり、先進7か国中最下位であった。これは「経済活動の参加と機会」、「政治への関与」分野のスコアの低さが影響を及ぼしているとされているが、教育の順位も93位と決して高くはない(1)(→*【解説】ジェンダー・ギャップ指数(三成美保))。教育分野のジェンダー・ギャップ指数自体はさほど悪くないが、富裕国では同分野でほぼ完全な男女平等が確立されているため、少しでも格差があるとランキングが下がる傾向にある(2)。日本においては、中等教育までは男女差がほとんどないものの、高等教育レベルになると女性の在学率が低くなるため、順位を下げる原因となっていると言われている(3)。隣国である韓国についてもGGGIランキングは117位であり、ジェンダー・ギャップは両国に共通する課題となっている。さらに、日本、韓国、台湾ともに、科学技術を国の発展基盤と位置づけているにも関わらず、数学や工学などの分野に限定すると、ジェンダー・ギャップはさらに著しい。

われわれのグループでは、2005年以降、高等教育の制度が異なる日本・韓国・台湾の統計を収集し、女性学生や女性研究者の置かれている現状を把握し、比較することを目的としてネットワークを構築し、研究を重ねてきた。最近では、2014年6月に日本と韓国の研究者が集まり、8月には台湾の研究者も含めて研究会を行った。その後、8月下旬にインドのハイデラバードで開催された世界女性会議(Women’s Worlds Congress 2014)での報告も行った。

本稿は、2013年度から開始した科学研究費補助金「東アジアにおける女性研究者のジェンダー分析および比較研究」(2013~2015年度)の2年目の報告である(4)。本研究の最終的な目的は、欧州連合(以下EU)やアメリカ合衆国から求められてきた東アジア諸地域の比較データを提供すること、および、女性研究者の活躍を阻害する要因を探ることにある。

2.本稿の位置づけ

本年度は、国際的な標準に準拠することを目標とし、3国(5)の学生の統計を【分野】と【教育段階】で再分類した。指標として、EUが採用しているISCED-97(ISCED=International Standard Classification of Education.国際標準教育分類。UNESCOによる)(6)と、ISCED-マッピング(UOE=UNESCO-UIS/OECD/EUROSTATによる)(7)を使用した。これによって、EUの統計報告書であるShe Figures(8)とより正確な比較が可能になるためである。EUはこの指標を用いて域内の国々の統計を比較可能な形でまとめており、我々にとっても参考になる。経年変化を知るために、2004年と2012年のデータを使用した。

これまでも、比較のために指標をすり合わせる努力を行ってきたが、家政学等の学際的分野の取り扱いが各国で異なるなどの問題が浮上したため、分野の見直しを行った。さらに【教育段階】にISCED-マッピングを利用することによって、より正確な比較を目標とした。【教育段階】はこれまで3国の高等教育における学生のデータを学部・修士・博士で分類していたが、ISCED5AとISCED6に分類し直した。図1のように、ISCED-97では、保育所・幼稚園のレベル0から、大学院博士課程のレベル6まで、大きく分けて7段階の教育レベルを定めている。

図1

ISCED5はさらに2つに分けられ、日本の場合ISCED5Bには短期大学や高等専門学校など、ISCED5Aには大学学部レベル以上修士課程までが含まれる。また、一般的な4年制の学士課程と2年制の修士課程のほか、6年制の医歯学・獣医学学士課程、大学専攻科(多くは1年制)、大学院専門職課程、各通信課程も含まれる(9)。学士と修士が同じレベルであることは、日本では違和感があるように感じられるが、欧米では、博士課程から研究者養成課程と見なされるためと考えられる。ISCED6には、3年制の博士課程、博士通信制課程、4年制の医歯学・獣医学博士課程が含まれる。これまで通信制課程や専門職課程はとりこぼしていたが、より実態を反映した統計にするためには重要な作業であった。しかし、後述するように日本のデータに関してはいくつかの課題が残った。

分野は、ISCED-97では「教育学(Education)」、「人文学・芸術(Humanities and Arts)」、「社会科学・ビジネス・法律(Social science, business and law)」、「科学・数学(Science and mathematics)」、「工学・製造・建築(Engineering, manufacturing and construction)」、「農学(Agriculture)」、「保健・福祉(Health and welfare)」、「サービス(Service)」の8つであるが、EUは「サービス」を提示しておらず、また日本には「サービス」がないため「その他」とした。「家政」は「その他」に入れ、韓国と台湾(10)にも同様の分類をしてもらった。日本の『学校基本調査』にある「商船」は「工学・製造・建築」に分類した(11)。以下では、EUとの比較が可能な、「その他」を除く7分野について扱う。EUの方式に合わせ、ISCED5Astudents をISCED5Aへの入学者、ISCED5AgraduatesをISCED5A卒業者数とした。6studentsと6graduatesも同様である(12)。

また、本年度あらたに判明した高等教育機関における女性教員比率にかんする日本の統計の課題について、報告する。

3.東アジアの女性学生のジェンダー分析

まずは、ISCED6graduates、すなわち博士課程修了者のジェンダー格差についてみることとする。後述するが、日本のデータには通信制課程は含まれていない。2004年と2012年の博士課程修了者に占める女性の割合の変化をみると、日本・韓国・台湾・EUのほぼすべての分野で増加していた。EUの理学と台湾の保健分野はほぼ横ばいであった。特に伸びが著しいのは韓国であり、全分野で増加していた。

図2

図3

図4

次に、水平方向のジェンダー格差、すなわち専攻間の格差について検討する。

① 教育専攻においては、2004年は日本と台湾の女性比率が5割以下であったが、2012年は日本・韓国・台湾ともに博士課程修了者の5割を超えている。特に伸びが著しいのは韓国であり、12.5ポイントの増加を見せた。
② 人文・芸術専攻では2004年には日本・韓国・台湾ともに女性比率は5割をやや下回っていたが、2012年には3国ともほぼ5割に達した(日本は49.7%)。
③ 社会科学専攻では、2004年は日本・台湾で女性比率は30%台、韓国で17.8%と低かったものの、2012年には韓国が13.2ポイント上げ、日本・台湾とほぼ同じ割合となった。
④ 科学・数学専攻では、韓国、台湾に比べると日本の女性比率は極端に低い。日本は2004年には17.4%であったが2012年には19.1%と微増であった。韓国は2004年には23.8%から2012年には31.4%と、7.6ポイントの増加を見せている。
⑤ 工学専攻は全専攻中最も女性比率が低いが、日本・韓国・台湾ともに4.9-5.6ポイントの増加を見せた。
⑥ 農学分野では、日本と台湾の女性比率は微増であったが、韓国は12.8ポイントも増加した。
⑦ 保健分野は、2004年はEUでは女性比率が5割以上、台湾も45.2%であったが、日本と韓国の女性比率は3割に達していなかった。2012年に韓国が11.5ポイント増加し、4割台となった。

以上のように、台湾の保健・福祉専攻の微減以外、各専攻で女性比率が減少したところはなく、増加傾向が見られた。2010年にはEUでは科学・数学と工学以外の分野では女性比率がほぼ5割を超えているのに対し(社会科学が49パーセントであるが)、2012年の東アジアの3国では、社会科学、科学・数学、工学、農学・獣医学、保健・福祉にかんしては低い割合であった。

韓国の全分野の上昇には、多様な女性政策の効果があったものと思われる。韓国は、儒教思想の強い国であるが欧米の潮流を積極的に受け入れることや、強い大統領権限により、果敢に改革を行うことができるとされている(13)。

次に、垂直方向のジェンダー格差を考察する手立てとして、教育段階別の男女比の推移を見てみよう。図5と6ではEUと日本、韓国、台湾の全専攻の男女比の推移を折れ線グラフにしている。EUではISCED5レベルでは男性より女性の割合が多いが、ISCED6になると男女比が逆転している。2つの折れ線が交差してはさみのようになることから、「はさみグラフ(Scissors diagram)」と呼ばれており、はさみの両端が閉じることが男女格差解消の証と考えられている。対して、東アジア3国では、ほとんどの場合ISCED5AレベルでもISCED6でも男性の比率の方が高い(ただし韓国はISCED 5Agraduatesでおよそ5対5であった)。特に日本では、男女比が約6対4から7対3で推移している。

図5

図6

この傾向は概ね2012年になっても変化がないが、2012年は韓国はISCED5Agraduatesで男女比が半々に近くなった。しかし、2010年にEUが男女比の格差がISCED6graduatesで8ポイントまで縮小したのに対し、東アジア3国ではなお34.4ポイント以上の開きがある。

しかしながら、EUにおいても、科学・数学および工学専攻に関してはISCED5Aの段階から女性比率が低い。図7と図8は、科学・数学および工学専攻における男女比の推移を取り出したものである。どの地域も5Astudentsから6graduatesにかけて大きな変化はないものの、EUと東アジア3国を比べると、男女格差は東アジアの方が圧倒的に大きい。

図7

図8

特に日本においては、科学・数学および工学専攻では、2004年はほぼ5Astudentsから6graduatesにかけて9割近くを男性が占めており、2012年になっても、男性の割合は8割前半から8割半ばであった。

4.日本の課題(14)

今回の再分類作業の過程で、いくつかの日本の統計に関する課題が明らかになった。

まず、日本の『学校基本調査』においては、通信制課程や大学専攻科(15)に関するデータが不足していることがあった。前述したように、ISCEDには通信制課程や専攻科が含まれており、ISCED5Aには、大学専攻科や学部通信制課程、修士通信制課程、専門職学位通信制課程が含まれる。ISCED6には、博士課程の通信制課程も含まれる。通信制課程は専攻分野別の入学者や在学者数のデータはあるものの、卒業者数の専攻分野別データが掲載されていなかった。例えば、2012年4月の通信制課程の入学者数は、大学が14,478名、(うち男性6,936名、女性7,542名)であり、修士課程が1,095名(うち男性617名、女性478名)、博士課程が37名(うち男性16名、女性21名)、専門職学位課程が143名(うち男性123名、女性20名)であり、また、各専攻分野の入学者数は把握できる。しかし、2012年度の通信制課程の卒業者数は、大学は15,152名(うち男性6,161名、女性8,991名)、修士課程870名(うち男性472名、女性398名)、博士課程26名(うち男性10名、女性16名)、専門職学位課程591名(うち男性538名、女性53名)がいるものの、専攻分野別ではなく、卒業者の職業と在学年数しか把握することができない。通信制課程卒業者は、2012年度のレベル5Aの卒業生全体のうち、約2.5%であった。男性卒業者の約2%、女性卒業者の約3%にあたる。通信教育課程で学ぶことができる分野はスクーリングの課程よりも限られるものの、通信制課程は、修士課程と専門職学位課程を除いて女性の割合が男性より高く、女性からの需要が多い分野である。大学専攻科については、在学者数のみ調査され、専攻分野別の入学者数・卒業者数ともにデータは無かった(16)。2012年度の在学者数は、1,019名(うち男性363名、女性656名)であった。こちらも通信制課程と同じく女性の方が多く、約1.8倍である。

また、日本の『学校基本調査』では、ISCED5Aに入ると考えられる防衛大学校などの省庁大学校が含まれておらず(17)、ISCEDマッピングでもISCED5AやISCED6に分類されていなかった。防衛大学校など、学士、修士、博士の学位が取得できる場合もあるため、マッピングの見直しが必要ではないだろうか。尚、韓国のISCED-マッピングではmilitary academyやnational college of policeがISCED5Bに分類されており、それぞれ学位(学士号)も授与される。

さらに、これまでも議論してきたが(18)、高等教育機関に勤める女性研究者の実態を知るためには、【職位別】、【男女別】、【分野別】という、垂直方向の格差と水平方向の格差(Gender Segregation)を示すデータが必要である。しかし、日本の場合はこれらの3セットが揃っているデータがなかった。

今年度、研究代表者の小川が、日本の公的統計を作成する文部科学省生涯学習政策局ならびに内閣府男女共同参画局の担当者と面会する機会を得て、【職位 別】、【男女別】、【分野別】の3セットが揃うデータの整備を申し入れた。その際に、男女共同参画局の担当者からは、『男女共同参画白書』に掲載されてい る「大学教員における分野別女性割合」が我々の求めるデータになっているのではないかとの指摘があった(図9)。

図9.『男女共同参画白書』の「大学教員における分野別女性割合」

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出典:『男女共同参画白書』(平成26年度) ※ただし、論文掲載版はモノクロ

「大学教員における分野別女性割合」は、教授、准教授、講師、助教、助手という【職位別】で、分野毎の女性教員の割合が棒グラフで示されている。理学、工学、農学分野において、女性の教授は5%に満たないなどの理系における女性の苦戦ぶりがわかる貴重な資料である。ただし、割合のみで実数は不明である。文部科学省『学校基本調査』より作成されていると注記されている。元となっている『学校基本調査』では、【職位別】・【男女別】の実数は掲載されているものの、「情報メディア学部」、「キャリアデザイン学部」など学部が網羅的に列挙されており、【分野別】になっているわけではなく(図10)、『男女共同参画白書』のグラフのような分野別の統計が示されているわけではない。特に私立では一見どの分野に属するのか判別し難い学部名も多い(図10参照)。このデータを元に、男女共同参画局が内部資料を基に人文科学、社会科学、理学、工学、農学、保健、家政、教育、芸術の9分野に再分類し直しているとのことであった。

図10

図11

図12

さらに、この面会の中でもう一つ明らかとなったことがある。「大学教員における分野別女性割合」は学部所属の教員数だけを対象として作成されており、「教養部・附属病院・附置研究所・大学院・その他(以下「大学院等」と略表記)」に所属する教員数は反映されていないということである。しかも、大学院等の分野は不明である。『学校基本調査』(平成25年版)によれば、国立・公立・私立の大学合わせて、大学院等に所属する教員割合はおよそ35%、男性では約38%、女性は約25%である。つまり、これだけの教員数が現状では「大学教員における分野別女性割合」に反映されていない。特に国立大学においては大学院等に所属する教員の割合が高く、全体で約78%、男性は79%、女性は73%に上る。

改めて男女比に着目してみると、大学院等に所属する教員では男性84%、女性16%であり、これに対し、学部ではおよそ75%と25%である。大学院等では、約10ポイント女性割合が低い。より高度な指導力を求められる大学院や、研究に高い比重を置くことができる研究所等などでは女性の進出が遅れていることがわかる。

いっぽうで、現状では、国立大学の多くの教員が「大学教員における分野別女性割合」に反映されていないことが明らかとなったが、国立大学協会は、【職位別】、【男女別】、【分野別】のデータを明らかにしている。

図14は、『国立大学における男女共同参画推進の実施に関する第9回追跡調査報告書』(以下『追跡調査報告書』と略表記。平成25年1月発表)から作成したグラフである。『追跡調査報告書』は、国立86大学の学部と大学院を合わせた教員のデータを示している。『男女共同参画白書』には項目が立てられていない「商船」や「その他」のデータも掲載されている。『男女共同参画白書』では、『追跡報告書』の「その他」にあたる学部をどの分野に振り分けているのは不明である。したがって比較としては不完全ではあるが、『追跡報告書』によって『男女共同参画白書』には多くが含まれていない国立大学の状況を知ることができるだろう。

図13

図14

『追跡調査報告書』と『男女共同参画白書』を比較すると、次のことを指摘できる。

① 国立大学のみでは、女性の教授の割合は、「家政」を除きすべての分野で低い。家政学は国立大学のみでは約23ポイント高い。
② 国立大学のみでは、「農学」の女性の助手の比率が、約55ポイントも低い。

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本文25頁

図16は、国立大学の理学部および工学部における学部・大学院教員の男女比を表したものである。理学部と工学部のみで見ると、国立大学では理学部に関しては女性の助手の割合が男性より高い。しかし、工学分野では最も女性比率が高い助手の割合でも約36パーセントにとどまり、助教以上は1桁台が続き、教授に至っては1.5%であった。『男女共同参画白書』でも、工学の女性教授は3.5%となっており、工学は最も男性優位の領域となっていることがわかるが、国立大学ではさらに男性優位性が高いことが明らかとなった。

5.おわりに

日本・韓国・台湾ともに、女性学生の博士号取得者は増加していることが明らかとなった。特に韓国の伸び率が著しい。ただし、今回の分野の再分類によって、東アジア地域では女性割合が特に多い家政学を比較対象とすることができなかった。ISCEDの分類は必ずしも日本にはなじまないか、比較には工夫が必要といえるかもしれない。

女性の大学教員比率に関しては、日本のデータが揃わないことから、EUと3国地域の比較はまだ足並みが揃っていない。日本政府は女性研究者の採用数値目標を定めており、「自然科学系25%(早期)、更に30%を目指す。特に理学系20%、工学系15%、農学系30%の早期達成及び医学・歯学・薬学系あわせて30%の達成を目指す」としている。そのためにも、具体的施策として、「部局ごとに女性研究者の職階別の在籍割合を公表するなど研究機関における女性研究者の採用・登用及びその活躍を促進するよう働きかける。また、研究機関における取組状況や職階別の女性割合等を把握し、公表する」(19)としている。数値を把握することは現状を認識する上で最も重要であり、問題解決の糸口となるはずである。国立、公立、私立の学部や大学院等すべてが含まれ、国際標準に準拠した分類が可能になるようなデータ公表が望まれる。

(1) http://www.weforum.org/reports/global-gender-gapreport-2014 (World Economic Forum, WEF)
(2) サーディア・ザヒディ氏(世界経済フォーラム男女格差・人材部門、シニア・ディレクター)へのインタビュー記事より。イー・ウーマン「佐々木かをりの win-win素敵な人に会いました、聞きました」http://ewoman.jp/winwin/155/1/02(2014年10月23日閲覧)。
(3) 内閣府男女共同参画局『男女共同参画白書』平成22年度版「コラム1GEM・GGIについて」
(http://www.gender.go.jp/whitepaper/h22/zentai/html/column/clm_01.html)(2014年10月23日閲覧)
(4) 研究メンバーは、小川眞里子(代表、三重大学)、河野銀子(山形大学)、財部香枝(中部大学)、大坪久子(日本大学)、横山美和(お茶の水女子大学)、お よびEunkyoung Lee(韓国・全北大学)、Li-ling Tsai(台湾・高雄教育大学)、Yen Wen Peng(台湾・中山大学)である。
(5) 本論では、煩わしさを避けるために台湾も国と表記する。
(6)United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, ISCED1997 International Standard Classification of Education.May2006,Re-edition(http://www.uis.unesco.org/Library/Documents /isced97-en.pdf)
(7) 各国のマッピングは、UNESCOのウェブサイトに掲載されている。(http://www.uis.unesco.org/Education/ISCED Mappings/Pages/default.aspx)。ただし台湾は掲載なし。
(8) 今回参照したのは、European Commission, She Figures2006(http://ec.europa.eu/research/science-society/pdf /she_figures_2006_en.pdf)、および同She Figures2012(http://ec.europa.eu/research/science-society /document_library/pdf_06/she-figures-2012_en.pdf)である。
(9) ISCEDマッピングには記されていないが、5年制の夜間課程もここに含めた。
(10) データの出典は、日本;文部科学省『学校基本調査』(総務省統計局「e-stat政府統計の総合窓口」(http://www.e-stat.go.jp /SG1/estat/eStatTopPortal.do)より取得)、韓国;Ministry of Education、台湾;Ministry of Educationである。
(11) 台湾と韓国には「商船」はない。「商船」は「サービス」の中の「運輸サービス」に分類するという意見もあるが(舘昭「『国際教育標準分類』(ISCED) の対象と構成について―日本の高等教育統計への示唆―」『桜美林高等教育研究』第3号(2011)、94頁)、我々のグループでは内容から「工学」に含め た。改めて文部科学省に確認したところ、取り扱っている内容は多岐にわたり、大きく分けると航海、運輸、工学となるという。
(12) ただし、台湾の入学者数のデータが入手できなかったため、studentsは在籍者となっていることをお断りしておく。
(13) 内閣府男女共同参画局『諸外国における専門職への女性の参画に関する調査―スウェーデン、韓国、スペイン、アメリカ合衆国―報告書』2011年。韓国の科 学技術分野の女性政策に関する情報としては、小川眞里子「科学と技術におけるアジアの女性」舘かおる編著『ジェンダー研究のフロンティア4 テクノ/バイオ・ポリティクス』作品社2008年121-141頁。
(14) 本章で扱った『男女共同参画白書』の「大学教員における分野別女性割合」については、「『分野別女性割合』を示すグラフについて」として、『科学技術社会論研究』第11号(2014)、131-134頁に速報の形で報告を行った。
(15) 大学の専攻科と別科は、学校教育法第九十一条により定められている、1年以上の修業年限もつ教育課程である。専攻科では学部卒業者に対して研究指導を行 う。例として、茨城大学には特別支援教育特別専攻科、東京理科大学には理学専攻科がある。別科では学部入学資格を持つものに技能教育を行うものとされてい る。
(16) 「大学・短期大学の専攻科及び別科」への進学者数は【専攻分野別】、【男女別】の統計が取られている(『学校基本調査』平成24年度版、「関係学科別進学 者数」)。ただし、短期大学別科はレベル4、短期大学専攻科はレベル5B、大学学部別科はレベル4であり、5Aの大学専攻科とはISCEDレベルが異なる ため、利用することはできなかった。
(17) 舘昭(註11参照)、91頁。
(18) 財部香枝、河野銀子、小川眞里子、大坪久子「東アジアにおける女性学生の専攻分野に関するジェンダー分析―日本・韓国・台湾の比較をとおして―」『貿易風―中部大学国際関係学部論集―』第9号、162頁。
(19) 内閣府男女共同参画局「第3次男女共同参画基本計画」2010年。

2013~2015 年度科研費基盤研究(C)「東アジアにおける女性研究者のジェンダー分析および比較研究」研究代表者:小川眞里子(課題番号25360043)河野銀子は 世界女性会議(インドハイデラバード)に出席のための渡航費として公益財団法人村田学術財団より助成を受けた。記して感謝する。

Gender Analysis on Women Students and Researchers in East Asia: A Comparison of the EU, Japan, Korea, and Taiwan.(Abstract)

This study examines gender gaps among students in higher education in the European Union (EU) and three East Asian countries: Japan, Korea, and Taiwan. In addition, the study discusses problems regarding gender statistics on students in some higher education courses and Academic researchers in Japan.

To meet UNESCO・s International Standard Classification of Education(ISCED)standards, the statistical data from the three East Asian countries were reclassified based on the educational field and the education level. Then, the reclassified data from 2004 and 2012 were compared to the 2003 and 2010 EU data in She Figures, respectively.

The percentages of women in ISCED Level 6(doctoral programs) that graduated in almost all of the fields increased in the past seven years; this was the case in the EU in the past eight years and in the case of the three Asian countries. While the overall gender gap among ISCED Level6 Graduates in the EU narrowed over the past seven years and almost disappeared, the three East Asian countries still had large gaps in Level 6 graduates in which men outnumbered women by a ratio of approximately seven to three. Gender gaps in the science and engineering fields persist in the EU. However, the graduation gaps in those fields in the three Asian countries are much larger with men outnumbering women by a ratio of approximately five to one.

During the process of reclassification, problems with the Japanese gender statistics were uncovered. First, data on the numbers of graduates in correspondence courses by field are not available. Second, data on schools in government agencies, such as the National Defense Academy, are not included in the ISCED mapping, despite the fact that some of them are considered higher education institutions. However, these schools may be included in ISCED Levels 5A and 6. Third, a frequently cited bar chart of the proportion of women academics in White Paper on Gender Equality does not reflect the number of academics who are affiliated with graduate schools and attached institutions, those who work at university hospitals, and those who are at some other institutions.

※1~5の全文はこちらを参照→三重大MIUSE2015pdficon_large

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