【改革提案①】歴史教育アンケートとその結果(高等学校歴史教育研究会)

2014.12.21掲載 油井大三郎(高等学校歴史教育研究会代表・東京女子大学特任教授)

(1)歴史教育における高等学校・大学間接続の抜本的改革─ アンケート結果と改革の提案 ─(2014 年9 月)

●目 次

Ⅰ.はじめに ·························································· 1
Ⅱ.高等学校の歴史教育改革アンケート結果の要旨 ························ 3
Ⅲ.アンケートの経緯と結果の分析 ······································ 6
Ⅳ.自由記述の特徴 ···················································· 24
Ⅴ.高等学校歴史教育研究会の改革提言 ·································· 47
Ⅵ.資料
資料1 世界史重要用語案 ············································· 48
資料2 日本史重要用語案 ············································· 60
資料3 高等学校の歴史教育改革アンケートへのご協力のお願い ··········· 69

●Ⅴ.高等学校歴史教育研究会の改革提言(上記47頁)

高等学校歴史教育研究会 平成26(2014)年9月

1)アンケート結果から明らかなとおり、大学入試が高校の歴史教育に大きな否定的影響を与えていることが明らかになった。歴史教育は、過去への興味・関心を喚起し、歴史的分析や解釈力および時系列的思考力を育成して、歴史的思考力を培うのにふさわしい教科であるにも関わらず、大学入試がその特性の発揮を困難にさせている大きな要因の一つである。それ故、大学入試の在り方を変えることが、高校での歴史教育改革に先行すべき課題と考えられるので、大学の歴史研究者に現状を訴え、歴史系の大学入試を抜本的に改革する必要性の認識を広めてゆく必要がある。そのような問題提起を日本学術会議や日本歴史学協会が先導して進めていただくことを切望したい。

2)具体的には、記述式など歴史的思考力を試すにふさわしい試験形態の拡充とともに、短期間で大勢の受験生の合否判定を迫られている大規模大学の入試でも、出題用語を限定して、細かい用語の暗記力ではなく、思考力も試すことができる出題方式の開発を進めることが必要である。そ
の検討を進める上で、大学として大学入学時の学生にどのような歴史的思考力を期待するか、またどの程度の歴史用語の理解を求めるべきかの検討も必要になると思われる。当研究会では2年間の検討を経て、世界史Bと日本史Bのそれぞれ2000 語程度の歴史用語の限定案を作成した(別
添資料参照)。この試案は、思考力育成型の授業と用語説明を両立させるにはB科目の場合、1時間の授業で用語は15 語(見開き2ページ内)くらいが限度であり、B科目の場合は、「標準単位が4単位」であるが、他の学校行事などのため、120 時間くらいが実施可能な授業時間数といわれるので、総数1800 語くらいが生徒にとって分かりやすい授業を実施する場合の用語の限度と考えられる。それに若干の用語を追加して作成したのがこの2000 語案である。この2000 語案は長年、高校で世界史や日本史を担当してきた教員が長時間かけて検討した努力のたまものであり、高校現場での検証で今後の改善が図られることを期待している。また、大学入試における出題用語の限定案としても提案しているので、今後、大学教員にも検討をお願いしたい。とくに、大学教員には大学入試の出題をこの2000 語程度に限定した場合、どのような問題点がでてくるのか、を検証し、その結果を集約して、今後の改善を進めることを期待している。

3)勿論、大学入試改革とともに、高校の歴史教育改革も必要であり、歴史系の新科目の動向に注目するとともに、思考力育成型の授業の導入を促進することも重要である。また、大学が責任をもっている教員養成課程で、暗記中心の授業が行われているとの指摘もあるので、その改革の検討も重要である。これらの諸問題を改革してゆくためには、高校と大学の教員間の意見交換の場を恒常的に確保することが重要であり、既に一部の大学で進んでいる高大連携の試みを一層進めるとともに、それらの経験を全国的に集約する場の設定を提案したい。

●資料全体(PDF:全78頁)

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(2)歴史教育用語の統計分析と基礎データ(2014 年7 月)

●目 次

Ⅰ.はじめに ····························································· 1
Ⅱ.本基礎データの作成過程 ··············································· 1
Ⅲ.歴史用語の統計分析解説(統計資料編) ···················································· 5
1.高等学校・世界史用語の動向 ································································ 5
統計(世界史) 表1-ⅰ、表1-ⅱ、表1-ⅲ、表1-ⅳ、表1-ⅴ、 ············ 9
表1-ⅵ、表1-ⅶ-a、表1-ⅶ-b、表1-ⅷ、表1-ⅸ、
表1-ⅹ
2.高等学校・日本史用語の動向 ································································ 13
統計(日本史) 表2-ⅰ、表2-ⅱ、表2-ⅲ-a、表2-ⅲ-b、 ·············· 17
表2-ⅳ-a、表2-ⅳ-b、表2-ⅴ-a、表2-ⅴ-b、
表2-ⅵ、表2-ⅶ、表2-ⅷ
Ⅲ.歴史用語基礎データ
1.世界史用語基礎データ
2.日本史用語基礎データ

●資料全体(PDF:全24頁)

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