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ジェンダー統計
掲載:2016-05-04 執筆:三成美保
(1)ジェンダー指数
ジェンダー指数は、ジェンダー平等の達成度をはかる国際指標である。1995年、国連開発計画が導入したジェンダー指数が「ジェンダー開発指数」と「ジェンダー・エンパワーメント指数」であった。2009年以降、両者を統合した「ジェンダー不平等指数GII」が利用されている。
一方、2005年以降、世界経済フォーラムが各国内の男女間の格差を数値化しランク付けしている(ジェンダー・ギャップ指数GGI、最近はグローバル・ジェンダー・ギャップ指数GGGIという)。GGI(GGGI)は、ジェンダー平等の達成度をもっとも正確に反映すると言われる。ジェンダー・ギャップ指数が示す日本の順位は100位程度と著しく低い。
(2)各指標の基準
①HDI 人間開発指数(Human Development Index)
国連開発計画(UNDP)による指数
「長寿で健康な生活」「知識」「人間らしい生活水準」によって算出する。
②GII ジェンダー不平等指数(Gender Inequality Index)
国連開発計画(UNDP)による指数
国家の人間開発の達成が男女の不平等によってどの程度妨げられているかを明らかにするもの。
【保健分野】妊産婦死亡率
【エンパワーメント】国会議員女性割合・中等教育以上の教育を受けた人の割合(男女別)
【労働市場】労働力率(男女別)
③GGGI グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index)
世界経済フォーラムが,各国内の男女間の格差を数値化しランク付けしたもの。
経済分野,教育分野,政治分野及び保健分野のデータから算出する。
0が完全不平等,1が完全平等を意味する。
【経済分野】労働力率・同じ仕事の賃金の同等性・所得の推計値・管理職に占める比率・専門職に占める比率
【教育分野】識字率・初等,中等,高等教育の各在学率
【健康分野】新生児の男女比率・健康寿命
【政治分野】国会議員に占める比率・閣僚の比率・最近50年の国家元首の在任年数
(2)グローバル・ジェンダー・ギャップ指数
日本の場合、人間開発指数は高いが(10~20位)、ジェンダー・ギャップ指数の順位は100位程度である。こうした落差は、先進諸国ではめずらしい。
【上位3カ国と日本の順位】
2012年 | 2013年 | 2014年 | |
総合1位 | アイスランド(0.864) | アイスランド(0.873) | アイスランド(0.859) |
総合2位 | フィンランド(0.845) | フィンランド(0.842) | フィンランド(0.845) |
総合3位 | ノルウェー(0.840) | ノルウェー(0.842) | ノルウェー(0.837) |
日本の総合順位 | 101位(0.653) | 105位(0.650) | 104位(0.658) |
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