【新刊紹介】『越境する社会運動』明石書店、2020年(イスラーム・ジェンダー・スタディーズ第2巻)

越境する社会運動
本体2,500円+税
ISBN 9784750349954
判型・ページ数 4-6・260ページ
出版年月日 2020/03/31
  • 内容説明
    • グローバル時代の今日、社会運動はますます様々な境界を越え、時に世界をも変革する大きな力を持つようになっている。ジェンダーの問題には保守的とされるイスラーム世界ではどのような広がりを見せるのか、各国の具体的な事例から多様な社会の現在を報告する。
  • 目次

 「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」シリーズ刊行にあたって――2『越境する社会運動』

はじめに
ジェンダー開発指数と自由度の評価数値

第Ⅰ部 近代化とイスラーム諸国におけるフェミニズム運動

第1章 イスラームの興りと女性をめぐるイスラーム法の展開[小野仁美]
第2章 エジプト女性運動の「長い20世紀」――連帯までの道のり[後藤絵美]
第3章 チュニジアの女性運動――国家フェミニズムから市民フェミニズムへ[鷹木恵子]
コラム1 ジーン・シャープが指南する非暴力行動という戦略[谷口真紀]
第4章 トルコにおける女性運動とイスラーム[若松大樹]
第5章 革命後イランの女性運動――女性活動家の言説[中西久枝]
第6章 湾岸諸国の女性運動――社会運動の不在あるいは団結できない事情[大川真由子]
コラム2 サウジアラビア女性の権利と政府のイニシアティブ[ドアー・ザーヘル]
コラム3 萌芽期のインドネシア女性運動――近代への試練[小林寧子]

第Ⅱ部 越境する社会運動とジェンダー

第7章 女性をめぐる問題へのトルコの市民社会における取り組み[幸加木文]
コラム4 アメリカでヒズメット運動を実践するトルコ人移民の女性たち――断食明けのニューヨーク[志賀恭子]
第8章 戦略としてのトランスナショナリズムとジェンダー――ヨーロッパとトルコにおけるアレヴィーの事例から[石川真作]
コラム5 アラーウィー教団のエキュメニカル運動とSDGs[鷹木恵子]
第9章 アメリカにおける若者世代のコミュニティ形成と社会運動[高橋圭]
コラム6 行動するトルコの女性たち――女性の命は女性が守る[新井春美]
コラム7 「ひとりの女性も欠けさせない」――ラテンアメリカ発、“女性殺し”への抗議[伊香祝子]
第10章 国際移動を生きる女性たち――越境するアフマディーヤの宗教運動[嶺崎寛子]
第11章 インドネシアのムスリマ活動家たちの結集――世界的に稀な女性ウラマー会議開催[野中葉]
コラム8 ヒジャブの陰で――タイ南部パタニ女性たちの挑戦[西直美]
コラム9 「ムサワ」の活動とムスリム・フェミニズム[小野仁美]
コラム10 男女の区別は存在しない――セネガルのニャセンにおける女性指導者たち[盛恵子]
第12章 イスラエル人女性による平和運動「Women Wage Peace」――パレスチナと世界との連携を求めて[小林和香子]
コラム11 「水+塩=尊厳」――パレスチナの囚人をめぐる運動[南部真喜子]
コラム12 中東におけるラップとジェンダー[山本薫]
第13章 ゲイ・フレンドリーなイスラエル――トランスナショナルな運動と政治[保井啓志]

参考文献
女性・ジェンダー関連の団体組織と研究所のリスト