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【法学6】性的自己決定権の侵害(性犯罪・性暴力)

【GL6】性的自己決定権の侵害

*【年表1】性暴力に関する年表(富永智津子)

(1)刑法(性犯罪)

刑法全文はこちら⇒http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html

性犯罪に関する規定:刑法第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪

(公然わいせつ)
第百七十四条  公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(わいせつ物頒布等)
第百七十五条  わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは 科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。
(強制わいせつ)
第百七十六条  十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
(強姦)
第百七十七条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
(準強制わいせつ及び準強姦)
第百七十八条  人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。
(集団強姦等)
第百七十八条の二  二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは、四年以上の有期懲役に処する。
(未遂罪)
第百七十九条  第百七十六条から前条までの罪の未遂は、罰する。
(親告罪)
第百八十条  第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
 前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。
(強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条  第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。
 第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。
(淫行勧誘)
第百八十二条  営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第百八十三条  削除
(重婚)
第百八十四条  配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。

刑法183条(姦通罪)1947年削除

有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ
(夫のある女子が姦通したときは2年以下の懲役に処す。その女子と相姦した者も同じ刑に処する。)

前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ
(前項の罪は夫の告訴がなければ公訴を提起することができない。ただし、夫自ら姦通を認めていた時は、告訴は効力を有しない。)

(2)刑法性犯罪規定の変化(法務省資料より)

参考:http://www.moj.go.jp/content/001137764.pdf

[1]【現行刑法制定時 (明治40年法律第45号)

(強制わいせつ)
第百七十六条 十三歳以上ノ男女ニ対シ暴行又ハ脅迫ヲ以テ猥褻ノ行為ヲ為シタル者ハ六月以上七年以下ノ懲役ニ処ス十三歳ニ満タサル男女ニ対シ猥褻ノ行為ヲ為シタル者亦同シ
(強姦)
第百七十七条 暴行又ハ脅迫ヲ以テ十三歳以上ノ婦女ヲ姦淫シタル者ハ強姦ノ罪ト為シ二年以上ノ有期懲役ニ処ス十三歳ニ満タサル婦女ヲ姦淫シタル者亦同シ
(準強制わいせつ及び準強姦)
第百七十八条 人ノ心神喪失若クハ抗拒不能ニ乗シ又ハ之ヲシテ心神ヲ喪失セシメ若クハ抗拒不能ナラシメテ猥褻ノ行為ヲ為シ又ハ姦淫シタル者ハ前二条ノ例ニ同シ
(未遂罪)
第百七十九条 前三条ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス

[2]【改正刑法草案 (昭和49年)

第二百九十六条(強姦)① 暴行又は脅迫を用いて,女子を姦淫した者は,二年以上の有期懲役に処する。
② 女子が精神の障害その他の理由により抗拒不能の状態にあるのを利用し,又は女子を抗拒不能の状態に陥れて,これを姦淫した者も,前項と同じである。
第二百九十七条(強制わいせつ)①暴行又は脅迫を用いて,人にわいせつの行為をした者は,六月以上七年以下の懲役に処する。
② 人が精神の障害その他の理由により抗拒不能の状態にあるのを利用し,又は人を抗拒不能の状態に陥れて,これにわいせつの行為をした者も,前項と同じである。
第二百九十八条(幼年者の姦淫・わいせつ)① 十四歳未満の女子を姦淫した者は,二年以上の有期懲役に処する。
② 十四歳未満の者にわいせつの行為をした者は,六月以上七年以下の懲役に処する。
第二百九十九条(未遂) 前三条の罪の未遂犯は,これを罰する。
第三百条(強姦・強制わいせつ致死傷) 前四条の罪を犯し,その結果,人を傷害した者は,三年以上の有期懲役に処する。人を死亡させたときは,無期又は五年以上の懲役に処する。
[2](資料)改正刑法草案の解説(法務省刑事局)

【第三百条の趣旨について】
致死と致傷には結果の重大性に大きな差があること,致傷には軽微な場合も含まれることなどの理由から,両者を区別することとした。致死罪について,結果の重大性及び強盗致死の法定刑との均衡等から,懲役の短期を3年から5年に引き上げることとされた。他方,基本となる罪が強姦であるか強制わいせつであるかによる区別を認めてはどうかとの意見もあったが,両者を区別しても法定刑に大きな差を付けることはできず,実益に乏しいことなどから採用されなかった。

[3]【平成16年刑法改正による法定刑引上げ(現行規定 】

(強制わいせつ)第百七十六条 十三歳以上の男女に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。 十三歳未満の男女に対しわいせつな行為をした者も,同様とする。
(強姦)第百七十七条 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は,強姦の罪とし、 三年以上の有期懲役に処する。 十三歳未満の女子を姦淫した者も同様とする。
(準強制わいせつ及び準強姦)第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,わいせつな行為をした者は,第百七十六条の例による。
2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,姦淫した者は,前条の例による。
(集団強姦等)第百七十八条の二 二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは,四年以上の有期懲役に処する。
(未遂罪)第百七十九条 第百七十六条から前条までの罪の未遂は,罰する。
(強制わいせつ等致死傷)第百八十一条 第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し,よって人を死傷させた者は,無期又は三年以上の懲役に処する。
2 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し,よって女子を死傷させた者は,無期又は五年以上の懲役に処する。
3 第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し,よって女子を死傷させた者は,無期又は六年以上の懲役に処する。
[3](資料)法制審議会刑事法部会における法務省説明
【強制わいせつ罪の法定刑の上限を引き上げることについて】

暴力的な性犯罪のうち,強姦罪として処罰される行為は,男性の女性に対する姦淫行為,すなわち性交を意味するものであると解されていますことから,被害者が男性である場合,あるいは被害者が女性であるものの姦淫行為を伴わない場合などは,人の性的自由を侵害する行為であっても すべて強制わいせつ罪として処罰されることになります。 しかしながら、人の性的自由を侵害する行為といたしましては,姦淫行為には当たらないものであっても,いわゆる性交類似行為など,暴力的に敢行された場合には重大な結果をもたらすものもこれに含まれることになり,その点において刑法第176条が強制わいせつ罪の法定刑の上限を懲役7年としていますのは,現在のこの種事犯に対する国民の正義観念に照らせば,低きに失するのではないかと思われますことから,要綱(骨子)第二の一におきましては,これを懲役10年に引き上げることとしております。

【強姦罪・強姦致死傷罪の法定刑の下限の引上げ及び新設する集団強姦罪・集団強姦致傷罪の法定刑について】

それから,強姦罪と強姦致死傷罪につきましても,現在その法定刑の下限がそれぞれ懲役2年,懲役3年とされている点につきまして,暴力的性犯罪に関する現在の国民の正義観念に合致していないと指摘されております。また,強姦の中でも,集団形態のもの,すなわち二人以上の者が現場において共同して犯したものにつきましては,刑法第180条におきまして,その重大さから,一般に強姦罪が親告罪とされている中で,その例外とされているところでありますが,法定刑の上では,一般の強姦と同様に取り扱われております。このような問題点を踏まえまして,要綱(骨子)の第二の二から四までは,刑法第178条中の準強姦に係るものを含めまして,刑法第177条,第181条が規定する強姦罪及び強姦致死傷罪の法定刑の下限を引き上げるとともに,新たに集団形態のものに係る強姦と強姦致死傷の加重処罰類型を設けることとするものです。これらの中で,最も重大・悪質と思われますのは,集団形態による強姦致死傷罪であると考えられますが,この場合におきましても,前科等のない犯人が被害者に対し,最善の慰藉の措置を尽くすなどしたにもかかわらず,酌量減軽をしてもなお およそ執行猶予を付し得ないものとすることには問題があると思われます。刑法第25条第1項におきましては,最長3年の有期刑について,その執行を猶予する可能性が認められておりますことから,集団形態による強姦致死傷罪の法定刑の下限を,酌量減軽により刑期の2分の1を減じた場合において執行猶予を付すことができる限界であります。懲役6年といたしまして 強姦罪 強姦致死傷罪 集団形態による強姦罪の法定刑の下限をそれぞれ懲役3年,懲役5年,懲役4年としているものであります。

(3)統計データ(犯罪一般と性犯罪)

(4)統計データ(性犯罪)

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/60/nfm/images/full/h5-1-4-01.jpg

犯罪白書(H25)http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/60/nfm/images/full/h5-1-4-01.jpg

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