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【史料】『女性憲章』(南アフリカ女性連盟創立大会、1954年)・『自由憲章』(1955年)(富永智津子/永原陽子共訳)

【史料】『女性憲章』(南アフリカ女性連盟創立大会で採択、ジョハネスバーグ、1954年4月17日)及び『自由憲章』(1955年)

 掲載:2015.08.22 執筆(解説):富永智津子  史料(共訳):富永智津子/永原陽子

<解説(富永智津子)>

『女性憲章』(The Women’s Charter)は、南アフリカ女性連盟(Federation of South African Women)の創立大会で採択された連盟の基本方針である。創立大会には、南アフリカ連邦の各地に住む23万人の女性を代表して、約150人の女性が参加した。その多くは、2~3年間小学校に通っただけの女性であったが、労働組合運動の経験を通して、さまざまな問題意識を共有するようになっていた。この大会には、白人、インド人、カラード、アフリカ人中産階級の女性も参加しており、女性憲章は、階級、人種、民族を超えて、アパルトヘイトの廃絶と女性の地位向上を目指して起草されている。

南アフリカでの女性の政治活動は、移動の自由を制限する1913年のパス法の反対運動から始まった。1920年代になると、クリーニング業界や衣料・家具・パンなどの製造業界で働く女性たちが、労働組合運動に参加するようになる。その中のリーダー格の女性たちが、増長するアフリカーナーのナショナリズムやアパルトヘイト政策への反対運動にも参加するようになるのは1930年代。そして、1940年代の南アフリカにおける経済的発展は、さらに女性労働力への需要を高め、その結果、女性たちはますます都市部へと押し出されることになる。1950年代のパス法反対運動で、女性たちが中心的役割を果たしたのも、都市部への移動の自由の確保が女性にとって死活問題だったことを示している。しかし、女性たちは一貫して男性主導の社会構造と解放運動の周縁に位置づけられていた。女性たちが、こうした状況を打開しようとして創設したのが、この女性連盟である。憲章の文言からは、南アフリカの女性が何を追求しようとしていたか、いかなる政治的、社会的、経済的状況の変革を目指していたかが浮かび上がってくる。

ちなみに、1年後の1955年、男性主導の「アフリカ民族会議」(ANC)や「南アフリカ・インド人評議会」(SAIC)などの諸組織によって採択された『自由憲章』の原文と訳文を末尾に掲載した。同じくアパルトヘイトの撤廃と白人支配からの解放を目指して起草されているが、『女性憲章』と比較すると、ジェンダー視点の比重の違いが明らかである。男性との共闘を謳いながらも、さまざまな女性への抑圧や不平等からの解放を求める女性の切実な思いが込められている。

『自由憲章』の起草に与えた『女性憲章』の影響、このふたつの『憲章』がアパルトヘイト廃絶後に制定された新憲法の起草に与えた影響は大きい。

【参考文献】

モニカ・セハス「女性の眼でみるアパルトヘイト―1950年代の「南アフリカ女性連盟」(FSAW)の事例」富永智津子・永原陽子(編)『新しいアフリカ史像を求めて―女性・ジェンダー・フェミニズム』御茶の水書房、2006、279~308頁。

【史料1】『女性憲章』(南アフリカ女性連盟創立大会で採択、ジョハネスバーグ、1954年4月17日)(富永智津子・永原陽子共訳)

【前文】妻、母、労働者、主婦、アフリカ人、インド人、ヨーロッパ人、カラードを含むわれわれ南アフリカの女性は、女性であるわれわれを差別し、社会がすべての人に提供する利益、責任、機会を女性から奪っているあらゆる法律、規制、因習、慣習を廃絶するために努力することを、ここに宣言する。

Preamble: We, the women of South Africa, wives and mothers, working women and housewives, African, Indians, European and Coloured, hereby declare our aim of striving for the removal of all laws, regulations, conventions and customs that discriminate against us as women, and that deprive us in any way of our inherent right to the advantages, responsibilities and opportunities that society offers to any one section of the population.

【ひとつの社会】われわれ女性は、男性とは別の社会をつくらない。ひとつの社会だけがあり、それは女性と男性によって構成される。女性として、われわれは男性の問題や不安を共有し、社会悪や進歩を妨げるものを取り除くために男性と協力する。

A Single Society: We women do not form a society separate from the men. There is only one society, and it is made up of both women and men. As women we share the problems and anxieties of our men, and join hands with them to remove social evils and obstacles to progress.

【文明度の検証】社会が到達した文明度のレヴェルは、当該社会のメンバーが享受する自由の度合いによって測定できる。女性の地位は、文明度を測るものさしである。それによれば、南アフリカは文明化した国家の中では低レヴェルにとどまっていると考えざるをえない。

Test of Civilisation: The level of civilisation which any society has reached can be measured by the degree of freedom that its members enjoy. The status of women is a test of civilisation. Measured by that standard, South Africa must be considered low in the scale of civilised nations.

【女性の宿命】われわれ女性は、貧困とそれがもたらす弊害に起因する心配事や不安を男性と共有する。わずかな賃金で長期にわたりやりくりしなければならないのは妻であり母であるわれわれ女性である。お腹をすかしたり、病気になったりした子供たちの泣き声を受け止めるのは、われわれ女性である。清潔に保つにはあまりにも狭く、壊れかけていて汚い家の維持や管理もわれわれ女性の仕事である。夫が日々の糧を稼ぐために鉱山や農場や町に出稼ぎに行っている間、子供の世話や土地の管理をするのもわれわれ女性である。われわれ女性は、掘立小屋やバラック、あるいはすし詰めのアパートの一部屋で営まれている家族生活を維持していくことがどういうことかを知っている。また、子どもが無法な行為に走り、まだ学校に通っている娘が未婚の母親になり、少年少女が教育も訓練も受けず、最低の生活ができる賃金を稼げる職にもつけない過酷な状況を知っている。

Women`s Lot: We women share with our menfolk the cares and anxieties imposed by poverty and its evils. As wives and mothers, it falls upon us to make small wages stretch a long way. It is we who feel the cries of our children when they are hungry and sick. It is our lot to keep and care for the homes that are too small, broken and dirty to be kept clean. We know the burden of looking after children and land when our husbands are away in the mines, on the farms, and in the towns earning our daily bread.
We know what it is to keep family life going in pondokkies and shanties, or in overcrowded one-room apartments. We know the bitterness of children taken to lawless ways, of daughters becoming unmarried mothers whilst still at school, of boys and girls growing up without education, training or jobs at a living wage.

【貧しさと豊かさ】これらは存在すべきでない悪である。これらは、われわれが住む社会が、貧しい者と富める者、非ヨーロッパ人とヨーロッパ人に分断されているために存在する。これらは、特権を享受する少数の者と、差別や虐待を受けている多数の者がいるために存在する。われわれ女性はこれまでと同様、男性と肩を並べて、貧困、人種や階級の差別、あるいは皮膚の色に基づく差別(カラーバー)という悪と闘うために立ちあがる。

Poor and Rich: These are evils that need not exist. They exist because the society in which we live is divided into poor and rich, into non-European and European. They exist because there are privileges for the few, discrimination and harsh treatment for the many. We women have stood and will stand shoulder to shoulder with our menfolk in a common struggle against poverty, race and class discrimination, and the evils of the colourbar.

【民族解放】民族解放運動ならびに労働組合のメンバーとして、また、さまざまな組織に属し、かつさまざまな組織を通して、われわれは解放運動と労働運動を男性とともに進める。われわれは平等、友愛、自由の旗を高く掲げることを誓う。女性としてのわれわれには、これまで女性を劣位と従属的地位に縛りつけてきた男女間のすべての社会的差異をとり除く責務を負っている。

National Liberation: As members of the National Liberatory movements and Trade Unions, in and through our various organisations, we march forward with our men in the struggle for liberation and the defence of the working people. We pledge ourselves to keep high the banner of equality, fraternity and liberty. As women there rests upon us also the burden of removing from our society all the social differences developed in past times between men and women, which have the effect of keeping our sex in a position of inferiority and subordination.

【女性のための平等】われわれは、所有・相続・財産処分といったアフリカ人女性の権利を否定する法律や慣習をとり除くために闘う決意を表明する。われわれは、アフリカ人やマレー系(系人)【訳注:オランダ東インド会社統治時代に東南アジアなどから連れてこられた奴隷を歴史的起源とするケープ地方のムスリム住民を指し、アパルトヘイト体制下では「カラード」のサブ・カテゴリーとされた】やインド人の間で見られるような、妻を法的に夫の従属的地位に置き、夫に妻の財産や稼ぎを処分する権限を与え、妻や子供たちに関するあらゆる事柄を夫の支配下に置いている婚姻法の変革のために行動することを誓う。
われわれは、こうした婚姻法や財産に関する法律によって、女性が未成年として扱われていると認識している。それは、人類史の遠い昔に起源を持ち、まぎれもなく過ぎ去った時代の価値を体現していた大昔に崇められていた伝統や慣習に起因している。
アフリカ社会には、結婚年齢に達した女性なら誰でもが夫や家や土地や安全を保障された時代があった。
当時、子どもを持つ夫や妻は、物質的な必需品のほとんどを供給してくれる親族やクラン(氏族)に所属しており、おおむね自給自足的な生活を送っていた。男性と女性は、固く結ばれた小さな家族という単位の中でのパートナーだった。

Equality for Women: We resolve to struggle for the removal of laws and customs that deny African women the right to own, inherit or alienate property. We resolve to work for a change in the laws of marriage such as are found amongst our African, Malay and Indian people, which have the effect of placing wives in the position of legal subjection to husbands, and giving husbands the power to dispose of wives` property and earnings, and dictate to them in all matters affecting them and their children.
We recognise that the women are treated as minors by these marriage and property laws because of ancient and revered traditions and customs which had their origin in the antiquity of the people and no doubt served purposes of great value in bygone times.
There was a time in the African society when every woman reaching marriageable stage was assured of a husband, home, land and security.
Then husbands and wives with their children belonged to families and clans that supplied most of their own material needs and were largely self-sufficient. Men and women were partners in a compact and closely integrated family unit.

【働く女性】そのような状況はもう過ぎ去った。女性が所属する部族社会や親族社会は、部族の土地の喪失、男性の出稼ぎ、都市や産業の発展、生活手段をすべてあるいはほとんどを賃金に依存する農場や都市部の賃金労働者の激増の結果、破壊された。
今や、何千人ものアフリカ人女性が、インド人やカラードやヨーロッパ人の女性と同様に、工場や家庭やオフィスや商店や農場での雇用労働に従事したり、看護師や教師などの専門職に就いたりしている。未婚の女性、寡婦、離婚女性が男性親族の援助なしに自活を余儀なくさせられることも少なくない。その中には、自分の生活だけでなく、子供たちの養育もひとりで背負っている多くの女性がいる。
実際、多くの女性が家族の唯一の生活費の稼ぎ手であり、世帯主となっているのが現状である。

Women who Labour: Those conditions have gone. The tribal and kinship society to which they belonged has been destroyed as a result of the loss of tribal land, migration of men away from the tribal home, the growth of towns and industries, and the rise of a great body of wage-earners on the farms and in the urban areas, who depend wholly or mainly on wages for a livelihood.
Thousands of African women, like Indians, Coloured and European women, are employed today in factories, homes, offices, shops, on farms, in professions as nurses, teachers and the like. As unmarried women, widows or divorcees they have to fend for themselves, often without the assistance of a male relative. Many of them are responsible not only for their own livelihood but also that of their children.
Large numbers of women today are in fact the sole breadwinners and heads of their families.

【永遠の未成年】それにもかかわらず、古くから存在してきた法律や慣習が、いまだに女性に適用されている。女性は、自分自身と子どもたちの生活を支えている。しかし、法律は彼女たちに未成年の地位を強制している。
アフリカ人やカラードやインド人の女性は、政治的権利を否定されているだけでなく、南アフリカ連邦のいたるところで、契約する権利、財産を所有し処分する権利、子供の保護権を行使する権利といったような事柄に関して、男性と同等の地位を与えられていない。

Forever Minors: Nevertheless, the laws and practices derived from an earlier and different state of society are still applied to them. They are responsible for their own person and their children. Yet the law seeks to enforce upon them the status of a minor.
Not only are African, Coloured and Indian women denied political rights, but they are also in many parts of the Union denied the same status as men in such matters as the right to enter into contracts, to own and dispose of property, and to exercise guardianship over their children.

【進歩のさまたげ】法律は、社会の進歩から取り残されており、もはや、現実の女性の社会的地位や経済的地位に呼応していない。法律は、女性の進歩を阻んでおり、それゆえ社会全体の進歩のさまたげとなっている。
もし、多くの男性が、自分たちのために要求しているのと同じ権利と特権を女性にも認めるならば、この我慢のならない状況が続くことはないだろう。
法とその実施における完全かつ無条件の平等を女性にも与えない限り、男性自身も差別と偏見という悪から解放されることは望めないことを男性たちに教えよう。

Obstacle to Progress: The law has lagged behind the development of society; it no longer corresponds to the actual social and economic position of women. The law has become an obstacle to progress of the women, and therefore a brake on the whole of society.
This intolerable condition would not be allowed to continue were it not for the refusal of a large section of our menfolk to concede to us women the rights and privileges which they demand for themselves.
We shall teach the men that they cannot hope to liberate themselves from the evils of discrimination and prejudice as long as they fail to extend to women complete and unqualified equality in law and in practice.

【教育の必要性】われわれは、多くの女性がいまなお伝統的な慣習と因習に縛られ、それらが過去のものであり、進歩を阻んできたことに気づかないでいることも認める。解放闘争にすべての女性を参加させ、女性としての劣性と差別的な法律や皮膚の色による偏見によって押し付けられてきた低い地位との間に存在する密接な関係に気づかせることが、われわれの義務であり権利なのである。
女性が縛られている限り、いかなる個人、いかなる集団も自由を勝ち取ることができないという現実を、国民の中のあらゆる集団の男女に知らしめる全国的な教育プログラムを実施することがわれわれの目的である。

Need for Education: We also recognise that large numbers of our womenfolk continue to be bound by traditional practices and conventions, and fail to realise that these have become obsolete and a brake on progress. It is our duty and privilege to enlist all women in our struggle for emancipation and to bring to them all realisation of the intimate relationship that exists between their status of inferiority as women and the inferior status to which their people are subjected by discriminatory laws and colour prejudices.
It is our intention to carry out a nation-wide programme of education that will bring home to the men and women of all national groups the realisation that freedom cannot be won for any one section or for the people as a whole as long as we women are kept in bondage.

【アピール】われわれ女性は、すべての進歩的な組織、民族解放運動のメンバー、労働組合や労働者階級の組織、教会、教育や福祉団体、民衆の利益に心を痛める進歩的な男女に、われわれとともに、この遠大で崇高な歩みに参加するよう訴える。

An Appeal: We women appeal to all progressive organisations, to members of the great National Liberatory movements, to the trade unions and working class organisations, to the churches, educational and welfare organisations, to all progressive men and women who have the interests of the people at heart, to join with us in this great and noble endeavour.

【目標】われわれは、以下の目標をここに掲げる:
この組織は、すべての政治的、法的、経済的、社会的障害を除去するための行動に向けて、女性の団結を推進すべく結成される。われわれは次の諸権利を女性のために追求する。

1. 国家のすべてのレヴェルでの制約と差別のない選挙権と被選挙権。
2. すべての労働領域における同一賃金と昇進の可能性が保障された雇用の機会を、最大限与えられる権利。
3. 財産、結婚、子供に関する男性と平等の権利、ならびに女性にそのような平等の権利を否定するすべての法律と慣習の撤廃。
4. すべての子供の成長のための万人に開かれた無償の義務教育。母親と子どもの保護のための農村と都市における妊産婦の施設や福祉クリニックや保育所や幼稚園の設置。万人のための快適な家、水や電気、交通手段や衛生、その他近代的な文明社会に必要な施設。
5. 移動の自由を制限する法律、および民主的組織への自由な参加や活動、あるいはこうした組織の仕事に参加する権利を妨害する法律の撤廃。
6. 民族解放運動内の女性部門や労働組合内の女性組織をつくり強化すること、また、人民のさまざまな組織を通じて女性組織をつくり強化すること。
7. 南アフリカ、および全世界における同様な目的を持つすべての組織との連帯。
8. 恒久的な世界平和の追求。

We declare the following aims:
This organisation is formed for the purpose of uniting women in common action for the removal of all political, legal, economic and social disabilities. We shall strive for women to obtain:
1. The right to vote and to be elected to all State bodies, without restriction or discrimination.
2. The right to full opportunities for employment with equal pay and possibilities of promotion in all spheres of work.
3. Equal rights with men in relation to property, marriage and children, and for the removal of all laws and customs that deny women such equal rights.
4. For the development of every child through free compulsory education for all; for the protection of mother and child through maternity homes, welfare clinics, creches and nursery schools, in countryside and towns; through proper homes for all, and through the provision of water, light, transport, sanitation, and other amenities of modern civilisation.
5. For the removal of all laws that restrict free movement, that prevent or hinder the right of free association and activity in democratic organisations, and the right to participate in the work of these organisations.
6. To build and strengthen women`s sections in the National Liberatory movements, the organisation of women in trade unions, and through the peoples` varied organisation.
7. To cooperate with all other organisations that have similar aims in South Africa as well as throughout the world.
8. To strive for permanent peace throughout the world.
(富永智津子・永原陽子訳)

【史料2】自由憲章(南アフリカ)(1955年6月26日、クリップタウンでの人民大会にて採択)(富永智津子・永原陽子共訳)

The Freedom Charter
As adopted at the Congress of the People, Kliptown, on 26 June 1955

【自由憲章】
われわれ南アフリカの人民は、南アフリカと世界のすべての人々に次のことを知らしむべく宣言する。
南アフリカは、黒人と白人を問わず、すべての住民に属すること、いかなる政府も、
すべての人民の意思に基づかない限り、正当にその権威を主張することはできないこと。
わが人民は、不公正と不平等の上に立つ政府によって、土地・自由・平和への生まれながらの権利を奪われてきたこと。
わが国土は、すべての人民が同胞として生活し、平等な権利と機会を享受しない限り、決して繁栄と自由とを手に入れることはできないこと。
すべての人民の意思に基づく民主的国家のみが、皮膚の色・人種・性・信条の区別なしに、生まれながらの権利を保障できること。
したがって、われわれ南アフリカの人民は、黒人・白人を含め、平等な同郷人・同胞として、この自由憲章を採択する。
そして、われわれは、ここに始まった民主的変化が勝利するまで、力と勇気を惜しむことなくともに闘うことを誓う。

We, the People of South Africa, declare for all our country and the world to know:
that South Africa belongs to all who live in it, black and white, and that no government can justly claim
authority unless it is based on the will of all the people;
that our people have been robbed of their birthright to land, liberty and peace by a form of government
founded on injustice and inequality;
that our country will never be prosperous or free until all our people live in brotherhood, enjoying equal
rights and opportunities
that only a democratic state, based on the will of all the people, can secure to all their birthright without distinction of colour, race, sex or belief;
And therefore, we, the people of South Africa, black and white together equals, countrymen and brothers adopt this Freedom Charter;
And we pledge ourselves to strive together, sparing neither strength nor courage, until the democratic changes here set out have been won.

【人民による統治】
すべての男女は、あらゆる立法機関への選挙権と被選挙権を持つ。
人民はすべて国家の行政に参加する権利を持つ。
人民の権利は、人種、皮膚の色、性にかかわりなく平等である。
白人少数支配、諮問委員会、評議会、政府機関はすべて民主的な自治政府機関に置き換えられる。

The People Shall Govern!
Every man and woman shall have the right to vote for and to stand as a candidate for all bodies which make laws;
All people shall be entitled to take part in the administration of the country;
The rights of the people shall be the same, regardless of race, colour or sex;
All bodies of minority rule, advisory boards, councils and authorities shall be replaced by democratic organs of self-government .

【すべての民族集団は平等な権利を持つ】
国家機関、法廷、学校において、すべての民族集団と人種は平等である。
人民はすべて、母語を用い、自分の民族文化と慣習を発展させる平等な権利を持つ。
すべての民族集団は、自分の人種や民族の尊厳を侮辱されないよう、法律によって守られる。
民族、人種もしくは皮膚の色に基づく差別と侮辱を広めたり、実際に行為に移したりすることは、処罰さるべき犯罪である。
すべてのアパルトヘイト法とアパルトヘイトの慣行は除去される。

All National Groups Shall have Equal Rights!
There shall be equal status in the bodies of state, in the courts and in the schools for all national groups and races;
All people shall have equal right to use their own languages, and to develop their own folk culture and customs;
All national groups shall be protected by law against insults to their race and national pride;
The preaching and practice of national, race or colour discrimination and contempt shall be a punishable crime;
All apartheid laws and practices shall be set aside.

【人民はこの国の富を分有する】
南アフリカ人の遺産であるこの国の富は、人民の手に取り戻される。
鉱物資源、銀行、独占企業は人民全体の所有に移される。
その他のすべての産業と貿易は、人民の福祉のために統制される。
すべての人民は、自由に取引し、製造業に携わり、商業や職人や専門職に就く平等の権利を持つ。

The People Shall Share in the Country`s Wealth!
The national wealth of our country, the heritage of South Africans, shall be restored to the people;
The mineral wealth beneath the soil, the Banks and monopoly industry shall be transferred to the ownership of the people as a whole;
All other industry and trade shall be controlled to assist the wellbeing of the people;
All people shall have equal rights to trade where they choose, to manufacture and to enter all trades, crafts and professions.

【土地はそれを利用する人々に分配される】
人種を理由とする土地所有権を撤廃し、飢餓と土地不足を解消するために、すべての土地を、それを利用する人々の間で再分配する。
国家は、農機具や種やトラクターやダムを提供することによって土壌を保護し、農民を援助すべし。
すべての農民には、移動の自由が保証される。
すべての人は、占有する土地の選択権を持つ。
人民は家畜を奪われることなく、強制労働や、農場用監獄は撤廃される。

The Land Shall be Shared Among Those Who Work It!
Restrictions of land ownership on a racial basis shall be ended, and all the land re-divided amongst those who work it to banish famine and land hunger;
The state shall help the peasants with implements, seed, tractors and dams to save the soil and assist the tillers;
Freedom of movement shall be guaranteed to all who work on the land;
All shall have the right to occupy land wherever they choose;
People shall not be robbed of their cattle, and forced labour and farm prisons shall be abolished.

【すべての人民は法の前に平等】
何びとも公正な裁判なしに投獄され、強制退去させられ、拘束されることはない。
何びとも政府官吏の命令によって有罪を宣告されない。
法廷はすべての人民を代表する。
懲役は重大な犯罪に対してのみ適用され、その目的は再教育であり、報復ではない。
警察と軍隊は、すべての人民に平等に開かれており、人民を支援し保護すべし。
人種、皮膚の色、信条を理由に差別をしているすべての法律は撤廃する。

All Shall be Equal Before the Law!
No-one shall be imprisoned, deported or restricted without a fair trial;
No-one shall be condemned by the order of any Government official;
The courts shall be representative of all the people;
Imprisonment shall be only for serious crimes against the people, and shall aim at re-education, not vengeance;
The police force and army shall be open to all on an equal basis and shall be the helpers and protectors of the people;
All laws which discriminate on grounds of race, colour or belief shall be repealed.

【すべての人が享受すべき平等な人権】
法律は、言論、結社、集会、出版、説教、礼拝、および子どもを教育する権利を保証する。
法律は、警察の不法な家宅捜索から家族のプライバシーを守る。
すべての人は、農村部から都市部へ、州から州へ、南アフリカから海外へ、制約されることなく自由に旅行できる。
こうした自由を制約しているパス法、許可制度、その他のすべての法は撤廃する。

All Shall Enjoy Equal Human Rights!
The law shall guarantee to all their right to speak, to organise, to meet together, to publish, to preach, to worship and to educate their children;
The privacy of the house from police raids shall be protected by law;
All shall be free to travel without restriction from countryside to town, from province to province, and from South Africa abroad;
Pass Laws, permits and all other laws restricting these freedoms shall be abolished.

【労働と安全の保証】
労働者は自由に労働組合を組織し、役員を選び、雇用主と賃金協定を結ぶことができる。
国家はすべての人が労働する権利と義務を認め、完全失業手当を保証する。
いかなる人種の男女も、同一労働に対し同一賃金を受け取ることができる。
すべての労働者への週40時間労働、全国同一最低賃金、有給休暇、病気休暇、およびすべての働く母親への産休は保証される。
鉱山労働者、家事労働者、農場労働者、公共部門で働く労働者は、他のすべての労働者と同等の権利を持つ。
児童労働、鉱山の単身寮制労働、現物支給制、出稼ぎ労働は廃止する。

There Shall be Work and Security!
All who work shall be free to form trade unions, to elect their officers and to make wage agreements with their employers;
The state shall recognise the right and duty of all to work, and to draw full unemployment benefits;
Men and women of all races shall receive equal pay for equal work;
There shall be a forty-hour working week, a national minimum wage, paid annual leave, and sick leave for all workers, and maternity leave on full pay for all working mothers;
Miners, domestic workers, farm workers and civil servants shall have the same rights as all others who work;
Child labour, compound labour, the tot system and contract labour shall be abolished.

【開かれるべき教育と文化の扉】
政府は、われわれの文化生活の向上のために、国民の能力を発見し、伸ばし、励ます。
人類のすべての文化財は、他国との書籍や思想の自由な交流や出会いによって、すべての人々に開放される。
教育の目標は、若者に人民とその文化を愛し、人類の同胞愛・自由・平和を尊重することを教えることにある。
すべての子供たちに、普遍的で平等な無償の義務教育を保証する。
高等教育と技術教育は、成績に基づいて与えられる国家補助と奨学金によって、すべての者に開かれる。
国家による大衆教育計画によって、成人の非識字者をなくす。
教師は、他の市民と同等のすべての権利を持つ。
文化生活、スポーツ、および教育における皮膚の色にもとづく差別は撤廃する。

The Doors of Learning and Culture Shall be Opened!
The government shall discover, develop and encourage national talent for the enhancement of our cultural life;
All the cultural treasures of mankind shall be open to all, by free exchange of books, ideas and contact with other lands;
The aim of education shall be to teach the youth to love their people and their culture, to honour human brotherhood, liberty and peace;
Education shall be free, compulsory, universal and equal for all children; Higher education and technical training shall be opened to all by means of state allowances and scholarships awarded on the basis of merit;
Adult illiteracy shall be ended by a mass state education plan;
Teachers shall have all the rights of other citizens;
The colour bar in cultural life, in sport and in education shall be abolished.

【住居、安全、やすらぎの保証】
すべての人民は、居住する場所の選択の自由、相応の住居、安らぎと安全の中で家族を養う権利を持つ。
未使用の宅地は、人びとに提供される。
家賃と物価は引き下げられ、十分な食料が確保され、誰も飢えることはない。
予防保健計画が、国家によって運営される。
無料の医療および入院加療がすべての人びとに供され、母親と幼児には特別なケアが与えられる。
スラムは取り壊され、近郊に、交通手段、道路、街灯、遊園地、託児所、および交流施設を備えた新しい住宅地が建設される。
高齢者、孤児、障がい者、病人は国家によって保護される。
休養、レジャー、リクリエーションは、すべての人びとの権利である。
フェンスで囲い込まれた指定居住区や貧民街(ゲットー)は撤廃され、家族を離散に追い込む法律は廃棄される。

There Shall be Houses, Security and Comfort!
All people shall have the right to live where they choose, be decently housed, and to bring up their families in comfort and security;
Unused housing space to be made available to the people;
Rent and prices shall be lowered, food plentiful and no-one shall go hungry;
A preventive health scheme shall be run by the state;
Free medical care and hospitalisation shall be provided for all, with special care for mothers and young children;
Slums shall be demolished, and new suburbs built where all have transport, roads, lighting, playing fields, creches and social centres;
The aged, the orphans, the disabled and the sick shall be cared for by the state;
Rest, leisure and recreation shall be the right of all:
Fenced locations and ghettoes shall be abolished, and laws which break up families shall be repealed.

【平和と友好】
南アフリカは、すべての民族の権利と主権を尊重する完全な独立国家である。
南アフリカは、世界平和を維持し、戦争でなく交渉によって国際紛争を解決するよう努力する。
わが国のすべての人民の平和と友好は、すべての人びとの平等の権利、機会、および地位を保証することによって確保される。
保護領―バストランド、ベチュアナランド、スワジランド―の人びとは、自分たちの将来を自分たちで決定する自由を持つ。
独立と自治というアフリカのすべての人民の権利は承認され、それが密接な協力のための基盤となる。
人民と国を愛する者たちは、われわれとともに、次のように宣言する。

われわれが闘い取ろうとしているこれらの自由、それを勝ち取るまで、命をかけて、共に闘おう。

There Shall be Peace and Friendship!
South Africa shall be a fully independent state which respects the rights and sovereignty of all nations;
South Africa shall strive to maintain world peace and the settlement of all international disputes by negotiation – not war;
Peace and friendship amongst all our people shall be secured by upholding the equal rights, opportunities and status of all;
The people of the protectorates Basutoland, Bechuanaland and Swaziland shall be free to decide for themselves their own future;
The right of all peoples of Africa to independence and self-government shall be recognised, and shall be the basis of close co-operation.
Let all people who love their people and their country now say, as we say here:

THESE FREEDOMS WE WILL FIGHT FOR, SIDE BY SIDE, THROUGHOUT OUR LIVES, UNTIL WE HAVE WON OUR LIBERTY
(富永智津子・永原陽子訳)

世界史Ⅱ

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